本ページはプロモーションが含まれています。融資の可否、必要書類、審査内容、金利、返済期間、入金時期は、申込先、事業状況、資金使途、返済原資、提出書類などによって変わります。最新情報は各金融機関や日本政策金融公庫などの公式情報を確認してください。
運転資金の事業計画書では、「なぜ必要か」「いくら必要か」「何に使うか」「どう返すか」を数字で説明することが大切です。
運転資金は、単に「資金繰りが苦しいから借りたい」ではなく、支払い予定と入金予定を結びつけて書く必要があります。
この記事では、運転資金の事業計画書テンプレート、必要額の書き方、使い道の例、返済原資の説明、融資相談で弱く見えやすい書き方を整理します。
運転資金の事業計画書で見られること
運転資金の事業計画書で見られるのは、主に「資金の必要性」と「返済できる根拠」です。
金融機関にとって、運転資金は事業を継続するための資金です。仕入れ、人件費、外注費、家賃、広告費、入金までのつなぎなど、使い道は複数あります。
ただし、「何となく資金が足りない」だけでは説明として弱くなります。いつ、いくら、何に必要で、どの入金や利益から返済するのかを示す必要があります。
| 見られる項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 必要な理由 | なぜ運転資金が必要か |
| 必要額 | いくら必要か |
| 使い道 | 仕入れ、人件費、外注費など |
| 入金予定 | 売掛金や売上の入金時期 |
| 返済原資 | 利益、入金予定、改善後の資金繰り |
| リスク対応 | 売上未達時の対応 |
なぜ必要かを説明する
運転資金を借りたい場合、まず「なぜ資金が必要なのか」を説明します。
たとえば、売上が増えて仕入れが先行する、入金サイトが長く外注費の支払いが先に来る、繁忙期に人件費が増える、広告費を前倒しで投下する、といった理由です。
運転資金の理由は、売上・支払い・入金予定とセットで書くと伝わりやすくなります。
単に「資金繰りが厳しい」と書くより、「売掛金の入金が翌月末で、今月末に外注費80万円の支払いがあるため、つなぎ資金が必要」と書く方が具体的です。
いくら必要かを説明する
必要額は、希望額ではなく根拠のある金額で書きます。
たとえば、仕入れ60万円、外注費40万円、人件費50万円、家賃20万円、広告費30万円なら、合計200万円です。ここから手元資金や入金予定を差し引き、不足額を出します。
多めに借りたい気持ちは自然ですが、根拠のない金額は説明しにくくなります。必要額は、支払い予定表や資金繰り表と合わせて作りましょう。
どう返すかを説明する
金融機関に提出する事業計画書では、返済原資が重要です。
J-Net21でも、金融機関に提出する事業計画書のポイントとして、なぜお金が必要なのか、どのように返済していくのか、万が一のときはどうするのかを具体的な根拠とともに示す必要があると整理されています。
参考: J-Net21「金融機関に提出する事業計画書の書き方を教えてください」
返済原資は、売上見込み、粗利、入金予定、固定費削減、既存借入の返済状況などから説明します。
運転資金の事業計画書テンプレート
以下は、運転資金の事業計画書に入れやすいテンプレートです。実際に提出する書式は、申込先の指定に合わせてください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 資金使途 | 仕入れ、人件費、外注費、広告費、家賃など |
| 必要な理由 | 売上増加に伴い仕入れが先行するため |
| 必要額 | 200万円 |
| 内訳 | 仕入れ80万円、外注費50万円、人件費40万円、広告費30万円 |
| 必要時期 | 2026年8月末まで |
| 入金予定 | 2026年9月末に売掛金300万円入金予定 |
| 返済原資 | 売掛金入金、月次粗利、固定費削減後の資金余力 |
| 返済計画 | 毎月○万円を○か月で返済予定 |
| リスク対応 | 売上未達時は広告費抑制、支払い条件交渉、追加受注で補う |
テンプレートを埋める順番
テンプレートは、上から順番に埋めるより、次の順番で作ると書きやすくなります。
- 支払い予定を並べる
- 入金予定を並べる
- 不足額を出す
- 使い道を分類する
- 返済原資を書く
- リスク対応を書く
先に必要額を決めるのではなく、支払い予定と入金予定から不足額を逆算します。
公庫や金融機関の指定書式を優先する
事業計画書や創業計画書には、申込先ごとの指定書式があります。
日本政策金融公庫は、国民生活事業の各種書式ダウンロードページで、借入申込書や創業計画書などの書式を案内しています。
参考: 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード|国民生活事業」
また、中小企業事業の各種書式ダウンロードページでは、事業計画書や資金繰り表などの参考資料も案内されています。
参考: 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード 中小企業の方」
独自テンプレートを使う場合でも、提出前には申込先の指定書式、必要書類、記入例を確認してください。
運転資金の必要額を書く方法
運転資金の必要額は、感覚ではなく数字で書きます。主な考え方は3つあります。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 支払い予定から逆算 | 近い支払い予定を合計する |
| 月商目安で見る | 月商の何か月分が必要かを見る |
| 所要運転資金で見る | 売上債権 + 棚卸資産 – 仕入債務 |
支払い予定から逆算する
短期の運転資金では、支払い予定から逆算する方法が実務的です。
たとえば、今月末までに仕入れ80万円、外注費50万円、人件費40万円、家賃20万円が必要なら、支払い予定は190万円です。手元資金が70万円、入金予定が30万円なら、不足額は90万円です。
融資相談では、「いくら借りたいか」より「なぜその金額が必要か」が重要です。
支払い予定表や資金繰り表があると、必要額の根拠を説明しやすくなります。
月商目安で見る
運転資金は、月商の何か月分が必要かで考えることもあります。
ただし、月商目安だけで必要額を決めるのは粗くなります。業種、入金サイト、支払いサイト、在庫、外注費、固定費によって必要額は変わります。
月商目安はあくまで全体感をつかむために使い、最終的には支払い予定と入金予定で確認してください。
所要運転資金で見る
所要運転資金は、売上債権、棚卸資産、仕入債務から考える方法です。
一般的には、次のように整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売上債権 | 売掛金、受取手形など |
| 棚卸資産 | 在庫、仕掛品など |
| 仕入債務 | 買掛金、支払手形など |
売掛金や在庫が大きく、買掛金が少ない会社は、運転資金が重くなりやすいです。
詳しい計算は、運転資金の計算方法とは?計算式・月商目安と足りない時の対策で整理しています。
運転資金の使い道を書く方法
運転資金の使い道は、できるだけ具体的に書きます。
| 使い道 | 書き方の例 |
|---|---|
| 仕入れ | 受注増加に伴う材料・商品の仕入れ |
| 人件費 | 繁忙期の給与・外注人員の確保 |
| 外注費 | 受注案件の制作・施工・配送費用 |
| 家賃 | 店舗・事務所の固定費 |
| 広告費 | 新規受注獲得のための広告投下 |
| 税金・社会保険料 | 支払い予定と相談状況を明記 |
仕入れ・外注費は売上との関係を書く
仕入れや外注費は、売上との関係を説明しやすい項目です。
たとえば、受注が増えて材料仕入れが先に必要、納品前に外注先へ支払う必要がある、入金サイトが長く外注費が先に出る、といった形です。
売上や受注と結びついている運転資金は、必要性を説明しやすくなります。
人件費・家賃は固定費として書く
人件費や家賃は、事業継続に必要な固定費です。
ただし、固定費が重すぎる場合は、返済能力を不安視されることがあります。事業計画書では、売上見込み、粗利、固定費、返済額を合わせて説明してください。
固定費を運転資金で補う場合は、今後どのように資金繰りを改善するかまで書くと安心です。
税金・社会保険料は注意して書く
税金や社会保険料の支払いが厳しい場合は、資金使途として慎重に書く必要があります。
滞納がある場合や支払いが遅れている場合は、申込先に正確に伝えてください。分割や猶予の相談をしている場合は、その状況も整理します。
隠して申し込むのではなく、現状、対応状況、今後の改善策を説明することが大切です。
返済原資と資金繰りを書く方法
返済原資は、「どこから返すのか」という説明です。運転資金の事業計画書では、ここが弱いと説得力が落ちます。
売上見込みの根拠を書く
売上見込みを書くときは、希望ではなく根拠を添えます。
たとえば、既存取引先からの継続受注、発注書、契約書、見積提出済み案件、過去の月次売上、季節要因などです。
J-Net21は、ビジネスプランの財務計画では売上・利益計画や資金計画を記載し、運転資金や設備資金がどのくらい必要かを明確にする必要があると説明しています。
参考: J-Net21「よいビジネスプラン(事業計画書)の書き方について教えてください」
入金予定と返済予定を並べる
返済原資を説明するには、入金予定と返済予定を並べます。
| 月 | 入金予定 | 支払い予定 | 返済予定 | 月末残高見込み |
|---|---|---|---|---|
| 8月 | 150万円 | 220万円 | 0万円 | 30万円 |
| 9月 | 300万円 | 180万円 | 10万円 | 140万円 |
| 10月 | 260万円 | 190万円 | 10万円 | 200万円 |
このように、返済が始まっても資金繰りが回ることを示せると説明しやすくなります。
資金繰り表を添える
事業計画書だけで説明しきれない場合は、資金繰り表を添えます。
資金繰り表には、入金、支払い、借入返済、税金、社会保険料、給与、仕入れ、外注費などを日付や月別で整理します。
事業計画書は方針、資金繰り表は数字の裏付けとして使います。
運転資金の借入先や返済期間は、運転資金の借入先はどこ?目安・期間と公庫や銀行融資の選び方も参考になります。
融資相談で弱く見えやすい書き方
運転資金の事業計画書では、次のような書き方に注意してください。
とりあえず多めに借りたい
「余裕を持って多めに借りたい」という書き方は、必要額の根拠が弱く見えます。
資金調達では、必要額と返済可能額の両方が重要です。多く借りるほど安全とは限りません。返済負担が重くなれば、資金繰りが悪化する可能性があります。
必要額は、支払い予定と入金予定から逆算しましょう。
赤字補填だけになっている
赤字補填だけを理由にすると、返済原資が見えにくくなります。
赤字でも相談できる場合はありますが、なぜ赤字になったのか、今後どう改善するのか、どの入金や利益で返済するのかを説明する必要があります。
赤字補填を書く場合は、改善策と返済原資をセットにしてください。
根拠のない売上予測を書く
売上予測は、根拠が必要です。
「来月から売上が伸びる予定」だけでは弱くなります。受注見込み、契約、過去実績、広告施策、既存顧客、季節要因などを添えて説明しましょう。
売上予測が外れた場合の対応も書けると、計画の信頼性が上がります。
運転資金が急ぎの場合の代替策
事業計画書を作って融資相談を進めることは大切ですが、融資は即日で入金されるとは限りません。
今日・今週の支払いに間に合わない場合は、短期の対策も同時に検討します。
公庫・銀行は時間がかかる
公庫や銀行の融資は、書類準備、面談、審査、契約の流れがあります。低コストで使いやすい場合がある一方、支払期限が近い場合は間に合わないことがあります。
融資相談は早めに進め、急ぎの支払いとは分けて考えてください。
売掛金があるならファクタリングも比較する
売掛金があり、入金前に支払いが来ている場合は、ファクタリングも比較候補になります。
ファクタリングは売掛金を入金日前に資金化する方法です。借入ではありませんが、手数料が差し引かれるため、手取り額を確認する必要があります。
運転資金にファクタリングを使う判断は、運転資金にファクタリングは使える?向いているケースと借入との違いで詳しく解説しています。
銀行以外の資金調達も整理する
銀行以外には、ファクタリング、ビジネスローン、公庫、制度融資、補助金・助成金、出資、クラウドファンディングなどがあります。
ただし、急ぎで使える方法と、時間をかけて準備する方法は違います。
銀行以外の資金調達方法は、銀行以外で資金調達する方法は?中小企業が急ぎで使える選択肢で整理しています。
運転資金の事業計画書でよくある質問
Q: 運転資金の事業計画書には何を書けばよいですか?
A: なぜ必要か、いくら必要か、何に使うか、どの入金や利益で返済するかを書きます。支払い予定と入金予定を数字で示すと説明しやすくなります。
Q: 運転資金は何か月分で書けばよいですか?
A: 一律には言えません。業種、入金サイト、支払いサイト、在庫、固定費によって変わります。月商目安だけでなく、支払い予定と入金予定から不足額を確認してください。
Q: 事業計画書テンプレートだけで融資は通りますか?
A: テンプレートを埋めるだけで融資が通るとは限りません。事業内容、決算、返済原資、資金使途、信用状況、申込先の審査によって判断されます。数字の根拠を添えることが大切です。
Q: 赤字でも運転資金の事業計画書を出せますか?
A: 赤字でも相談できる場合はあります。ただし、赤字の理由、改善策、返済原資を説明する必要があります。赤字補填だけでなく、今後の資金繰り改善を示しましょう。
Q: 急ぎの運転資金は事業計画書より先に何をすべきですか?
A: まず支払期限と不足額を確認してください。融資が間に合わない場合は、売掛金があればファクタリング、返済余力があればビジネスローン、支払先への相談なども比較します。
まとめ|運転資金の事業計画書は必要額と返済原資を数字で書く
運転資金の事業計画書では、なぜ必要か、いくら必要か、何に使うか、どう返すかを数字で説明します。
単に「資金繰りが苦しい」と書くのではなく、支払い予定、入金予定、不足額、返済原資、リスク対応を整理してください。
公庫や金融機関の指定書式がある場合は、その書式を優先します。独自テンプレートを使う場合も、必要額の根拠と返済計画を添えることが大切です。
急ぎの運転資金で融資が間に合わない場合は、売掛金の有無や必要時期を整理し、ファクタリング診断で自社に合う選択肢を確認してみてください。
