本ページにはプロモーションが含まれています。将来債権の買取可否、手数料、必要資料、契約条件はサービスと個別取引によって異なります。法律上の扱いや契約の効力に不安がある場合は、弁護士等の専門家へ確認してください。
将来債権は、まだ請求書を発行していないから譲渡できないとは限りません。民法466条の6は、譲渡時に債権が現に発生している必要はないと定めています。
ただし、法律上の譲渡可否と、一般的なファクタリング会社が実際に買い取るかは別の問題です。通常の請求書ファクタリングは発生済みの確定債権を対象とし、将来債権や注文書型では審査資料や契約範囲が変わります。
本記事では、将来債権の意味、法的な仕組み、審査資料、資金繰りへの影響、確定債権・注文書ファクタリングとの違いを整理します。
将来債権は譲渡できますが、請求書ファクタリングと同じ条件で必ず買い取られるわけではありません。
最初に、何月から何月までの、どの契約から発生する売上を譲渡するのかを書き出してください。対象が広い契約ほど、将来の入金と他の資金調達への影響を慎重に確認する必要があります。
- 売上が発生する基本契約・個別契約
- 対象となる取引先と契約期間
- 過去6〜12カ月の取引・入金実績
- 解約、返品、減額、相殺の条件
- 今後の提供予定と売上予測
- 譲渡したい期間と必要金額
- 既存の債権譲渡・担保設定の有無
- 譲渡後に残る毎月の手元資金
結論:将来債権は譲渡できるが、通常の請求書買取とは別
民法上は発生前でも譲渡できる
e-Gov法令検索の民法第466条の6は、債権譲渡の意思表示時に債権が現に発生している必要はなく、後に発生した債権を譲受人が当然に取得すると定めています。
そのため、まだ請求書が発行されていないことだけを理由に、将来債権の譲渡自体が一律に否定されるわけではありません。
買取サービスの対応可否は別に確認する
法律上譲渡できても、ファクタリング会社には買い取る義務がありません。通常のサービスは、納品・検収が終わり、請求金額と支払期日が確定した売掛債権を対象にしています。
将来債権は、取引の中止、契約解除、数量変更、返品、値引き等で、予定どおり発生しない可能性があります。買取会社は契約内容、継続実績、売掛先、対象期間を確認し、対応しないこともあります。
申込み前に対象債権を特定する
「来年の売上全部」のような説明では、何を譲渡するのか判断しにくくなります。売掛先、契約、取引内容、発生期間、締日、支払条件等で範囲を整理します。
将来債権を相談する時は、譲渡できるかより先に、何をいつまで譲渡するのかを特定することが重要です。
現行法で譲渡できること、対象債権を特定できること、買取会社が対応することの3点を分けて確認します。
将来債権とは
将来発生する可能性がある債権
将来債権は、譲渡契約を結ぶ時点ではまだ発生しておらず、その後の取引や契約の履行によって発生する債権です。
たとえば、1年間の保守契約に基づき毎月サービスを提供した後で月額料金を請求する場合、今月分は確定していても、翌月以降の料金債権はまだ発生していないことがあります。
継続契約があっても必ず発生するとは限らない
基本契約や年間契約があっても、中途解約、利用量の変動、提供未了、検収不合格等で債権が発生しないことがあります。
「契約書がある」だけで確実な債権とは扱わず、契約期間、解約条項、最低利用額、発注方法、提供条件を確認します。
一回の受注にも将来部分がある
建設、制作、システム開発等では、受注は済んでいても、着工・納品・検収を経て初めて請求権が発生する契約があります。
注文書や発注書は受注の証拠になりますが、キャンセル条件、成果物、検収、追加費用によって最終金額が変わる場合があります。
確定債権・仕掛債権・注文書買取との違い
| 区分 | 状態 | 主な証拠 | 主な不確実性 |
|---|---|---|---|
| 確定債権 | 納品・検収・請求が済み、金額と期日が確定 | 請求書、検収書、通帳 | 売掛先の不払い |
| 仕掛中の取引 | 業務や納品が途中 | 契約書、進捗、発注書 | 完了、検収、最終金額 |
| 注文書型 | 特定案件を受注・発注済み | 注文書、発注書、契約書 | キャンセル、納品、検収 |
| 将来債権 | 契約等を基礎に後日発生 | 基本契約、継続実績、売上予測 | 発生の有無、金額、期間 |
確定債権
納品や役務提供が完了し、請求金額と支払期日を確認できる債権です。通常の請求書ファクタリングが主に扱う範囲で、詳細はファクタリングで使える債権の条件で解説しています。
仕掛債権・想定債権
「仕掛債権」「想定債権」という呼び方は、事業者や記事によって範囲が異なることがあります。特に「想定債権」は民法466条の6に統一定義された用語ではありません。
呼び名だけで判断せず、納品前か、受注済みか、継続契約か、金額が確定しているかを確認します。
注文書ファクタリング
注文書・発注書等で特定の受注案件を確認し、請求書発行より前に資金化を相談するサービスです。広い意味では将来発生する債権を扱いますが、継続契約から生じる複数月の債権すべてと同じではありません。
RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)も将来売上を扱うことがありますが、審査データ、資金提供の期間、支払方法、契約構成はサービスごとに異なります。将来債権ファクタリングの別名として扱わず、別の資金調達方法として条件を比較してください。
確定債権・仕掛中の取引・注文書・将来債権は、対象と不確実性が異なります。
「請求書がない」という共通点だけで、注文書型と将来債権を同じ商品として選ばないでください。
将来債権を譲渡する法的な仕組み
民法466条の6
民法466条の6第1項は、譲渡の意思表示時に債権が現に発生していることを要しないと規定しています。同条第2項は、後に債権が発生した時に譲受人が当然に取得すると定めています。
ただし、契約書に「将来債権」と書けば、あらゆる将来売上を自動的に取得できるわけではありません。対象となる債権を契約上特定できるか、譲渡制限、発生原因、契約の公序良俗等、個別事情の確認が必要です。
債権譲渡登記と第三者対抗要件
法務省の債権譲渡登記制度の概要では、法人がする金銭債権の譲渡について、債務者以外の第三者に対する対抗要件を備える制度と説明しています。債務者が特定していない将来債権も登記できます。
登記できる譲渡人は法人に限定されています。個人事業主はこの債権譲渡登記制度の譲渡人になれませんが、そのことだけで民法上の債権譲渡がすべて否定されるわけではありません。通知・承諾等を含む方法は契約先や専門家へ確認します。
登記だけで債権の存在は証明されない
法務省の債権譲渡登記Q&Aは、債権譲渡登記が、譲渡された債権の真実の存在や真実に譲渡されたことまで公示・証明するものではないと説明しています。
債権譲渡登記をしても、将来売上が必ず発生することや、契約が安全であることまでは保証されません。
債務者への対抗は別に考える
登記による第三者対抗要件と、債務者に譲渡を主張するための要件は同じではありません。法務省Q&Aでは、登記事項証明書を交付して通知する、または債務者が承諾する方法を説明しています。
2社間・3社間というサービス上の呼び方だけで処理を決めず、通知、承諾、登記、入金先を契約書で確認します。
将来債権の契約では、譲渡の効力、第三者対抗要件、債務者への通知・承諾を分けて確認します。
将来債権ファクタリングの審査で必要な資料
基本契約書・個別契約書
継続取引の期間、対象サービス、料金、最低数量、中途解約、更新、相殺、支払条件を確認します。
基本契約書だけで個別取引が確定しない場合は、注文書、利用明細、月次発注、発注メール等を追加します。
過去の請求・入金実績
将来の発生可能性を判断する材料として、過去の請求書、通帳、入出金明細、取引台帳を確認されることがあります。
過去6カ月は毎月100万円でも、契約更新直前、取引量の減少、未払いの発生があれば、将来も同じ金額になるとは限りません。売上の変化を隠さず説明します。
注文書・発注書・納品計画
特定案件なら、発注元、案件名、金額、納期、検収条件、支払期日を確認できる資料を用意します。
請求書がない段階の代替資料は、請求書なしで相談する場合の必要書類も参考にしてください。
売上データ・利用実績
サブスクリプション、EC、決済売上等では、管理画面の売上推移、解約率、継続率、返金・チャージバック、入金サイクル等が確認材料になります。
数字の画面を切り取って都合のよい月だけ見せず、申込先が指定する期間と形式で提出します。
決算書・試算表・資金繰り
通常の請求書買取より対象期間が長い場合、事業継続性や履行能力を判断するため、決算書、試算表、資金繰り表等を求められることがあります。
一般的な提出書類はファクタリングの必要書類で確認できますが、将来債権では追加資料が必要になる可能性があります。
基本契約書だけでなく、継続実績、解約条件、履行能力、将来売上の根拠を一組にして提出します。
将来債権の審査資料は、契約があることより、債権がどの条件で発生し、回収されるかを示すために用意します。
審査で確認されるポイント
対象債権を特定できるか
売掛先、契約、発生原因、対象期間、締日、支払日、上限額等で、譲渡範囲を確認します。
対象が広すぎると、既に譲渡した債権との重複や、将来の売上を過度に拘束するリスクが高まります。
売上が継続する根拠があるか
契約期間、最低利用額、更新実績、過去の取引量、解約率、顧客集中度等を確認します。
単発の見積もり、口頭の予定、まだ合意していない商談は、発生の根拠として弱くなります。
利用者が契約を履行できるか
納品前や役務提供前の債権では、利用者が商品を仕入れ、工事・制作・保守を完了できるかも重要です。
必要資金の全額を調達しても、外注費や材料費が不足して履行できなければ、将来債権は発生しません。
売掛先の信用と契約の安定性
売掛先の支払能力だけでなく、取引停止、契約解除、減額、相殺の可能性も確認されます。
一社への売上依存が高い場合は、その契約が終了した時の事業継続も説明できるようにします。
既存の譲渡・担保と重複しないか
同じ取引先から将来発生する債権を、既に金融機関や別のファクタリング会社へ譲渡・担保設定していないかを確認します。
対象期間が重なる契約を複数結ぶと、どの会社が取得する債権か争いになるおそれがあります。
利用するメリット
請求書発行前に資金を検討できる
発生済み請求書がなくても、継続契約や受注の根拠があれば、早い段階で相談できる可能性があります。
仕入れ、外注、人材採用、広告等、売上発生前に必要な支出へ対応しやすくなります。
複数月の入金予定を資金計画に入れられる
一枚の請求書だけでなく、一定期間に発生する債権を対象にできる契約なら、必要額に合わせて相談できる場合があります。
ただし、調達額が大きいほど将来の入金を先に使う範囲も広がります。
借入以外の選択肢を比較できる
融資だけでは支払日に間に合わない時、注文書型や将来債権型等を比較できます。
「借入ではない」という説明だけで選ばず、手数料、譲渡範囲、回収方法、契約終了条件を融資と並べます。
デメリット・資金繰りへの影響
将来の入金が減る
将来債権を先に売却すると、その債権が発生した後の入金は譲受人へ帰属します。今日の資金は増えても、翌月以降に使える入金は減ります。
譲渡後の給与、外注費、税・社会保険料、仕入れを払えるか、月次の資金繰りを作ります。
手数料や割引額を比較しにくい
まだ金額や発生時期が変わる可能性があるため、確定債権より条件が複雑になりやすいです。
料率だけでなく、買取代金、対象となる将来売上の総額、追加費用、精算方法、途中解約時の扱いを確認します。
対応先が限られる
通常の請求書買取に対応する会社でも、将来債権を買い取るとは限りません。
公式サイトに「注文書対応」「将来売上対応」とあっても、対象業種、法人限定、最低売上、契約期間等の条件を確認します。
契約終了後も影響が残る場合がある
譲渡対象期間が長い、将来発生する債権を包括的に定める、更新条項がある場合は、いつ対象から外れるかを確認します。
新しい資金調達、事業譲渡、売掛先変更を行う時に、既存契約が影響する可能性があります。
注文書ファクタリングとの違い
特定案件の受注を基礎にする
注文書ファクタリングは、発注元、案件、金額、納期等が記載された注文書・発注書を基礎に審査するのが一般的です。
継続契約から毎月発生する将来債権より、対象案件を絞りやすい一方、納品・検収・キャンセルのリスクがあります。
注文書があっても請求権が確定したとは限らない
受注済みでも、契約上は検収完了まで請求できない場合があります。注文書の額面全額を必ず資金化できるとは限りません。
審査の見られ方は注文書ファクタリングの審査で詳しく解説しています。
「注文書型」は将来債権全体の一部
将来債権には、注文書のある単発案件だけでなく、継続契約、利用契約、賃貸借、リース、定期販売等から将来発生する金銭債権も含まれ得ます。
記事や会社ごとの呼び方が違うため、商品名ではなく対象契約を確認します。
危ない契約と二重譲渡を防ぐ確認
買戻し・償還・保証を確認する
金融庁のファクタリングに関する注意喚起は、契約書が債権譲渡でも、買戻し等により経済的に貸付と同様の機能を持つ取引は貸金業に該当するおそれがあると説明しています。
将来債権が発生しなかった時、売掛先が払わなかった時、利用者が履行できなかった時に、誰がどこまで負担するかを確認します。
譲渡範囲が広すぎないか
「現在および将来の一切の売掛債権」のような条項がある場合、対象期間、売掛先、上限額、除外債権、終了後の扱いを確認します。
必要額を超えて将来売上を拘束すると、別の金融機関やファクタリング会社を使いにくくなる可能性があります。
手数料以外の費用を確認する
事務手数料、登記費用、調査費、司法書士費用、送金費用、途中解約費用等を含めた総支払額を見ます。
契約前に、受取額、譲渡対象額、費用総額、将来の入金先を一枚で示してもらいます。
同じ将来債権を重ねて譲渡しない
基本契約が一つでも、対象期間を変えて複数の譲渡契約を結ぶと範囲が重なることがあります。
既存契約、債権譲渡登記、通知、担保設定を確認し、ファクタリングの二重譲渡を避けます。
契約書の名称ではなく、将来債権が発生しない時の負担、譲渡範囲、総費用、回収方法を確認します。
将来債権を広く譲渡する契約ほど、買戻し・対象期間・既存契約との重複を慎重に確認してください。
向いている会社・向かない会社
向いている可能性がある会社
- 継続契約があり、過去の売上と入金が安定している
- 特定の受注があり、納品・検収までの計画を示せる
- 将来売上の一部を前倒ししても、翌月以降の支払いを続けられる
- 融資実行前のつなぎとして、短期間だけ必要額を確保したい
- 契約、売上、解約、入出金データを提出できる
向いていない可能性がある会社
- 口頭の商談だけで契約・注文書がない
- 売上の変動が大きく、将来発生する根拠を説明できない
- 譲渡後の入金が減ると、翌月の固定費を払えない
- 既に同じ将来債権を譲渡・担保設定している
- 利用目的が既存契約の送金や買戻しを繰り返すことになっている
向き不向きは業種名だけで決まりません。同じSaaSや建設業でも、契約内容、解約条件、履行能力、資金繰りで変わります。
申込前チェック
- 何の契約から生じる債権か
- 売掛先・債務者は誰か
- 何月から何月までを譲渡するか
- 金額は固定か、利用量で変わるか
- 中途解約・返品・減額・相殺はあるか
- 発生しなかった時の負担は誰が持つか
- 債権譲渡通知・承諾・登記は必要か
- 既存の譲渡・担保と重複しないか
- 手数料以外を含む費用総額はいくらか
- 譲渡後の月次資金繰りを維持できるか
不明な項目を口頭説明だけで済ませず、見積書、契約書、別紙の債権明細で確認します。登記を使わない契約の確認点は債権譲渡登記なし・登記留保の違いも参考にしてください。
将来債権ファクタリングのよくある質問
Q: 将来債権は法律上譲渡できますか?
A: 民法466条の6は、譲渡時に債権が現に発生している必要はないと定めています。ただし、対象債権の特定、譲渡制限、対抗要件、個別契約の効力は別に確認が必要です。
Q: 将来債権ならどのファクタリング会社でも買い取りますか?
A: いいえ。法律上譲渡できても、一般的な請求書ファクタリング会社が買い取るとは限りません。将来債権や注文書買取に対応するかを公式情報と個別相談で確認してください。
Q: 注文書ファクタリングと同じですか?
A: 同じではありません。注文書型は特定の受注案件を基礎にする方法です。将来債権には、継続契約や定期取引から後に発生する債権も含まれ得ます。
Q: 将来債権ファクタリングはすぐ資金化できますか?
A: 入金時期は申込先、契約内容、必要資料、債権の特定状況によって異なります。発生済みの請求書より確認事項が増えることもあるため、支払期限から逆算して相談してください。
Q: 個人事業主も将来債権を譲渡できますか?
A: 民法上の債権譲渡と債権譲渡登記は分けて考えます。法務省の債権譲渡登記制度で譲渡人になれるのは法人です。個人事業主の利用可否や対抗要件の方法は申込先と専門家へ確認してください。
Q: 将来債権が発生しなかったら返金が必要ですか?
A: 契約によって異なります。発生しなかった場合の精算、買戻し、保証、損害賠償、途中解約を契約前に確認してください。利用者へ不払いリスクが全面転嫁される場合は、取引の実態にも注意が必要です。
まとめ
将来債権は、現行民法上、発生前でも譲渡できます。ただし、法律上の譲渡可能性、債権の特定、ファクタリング会社の買取可否は別の確認です。
確定債権、仕掛中の取引、注文書ファクタリングを同じものとして選ばず、対象契約、発生条件、譲渡期間、買戻し、総費用、将来の資金繰りを確認してください。
まずは基本契約、過去入金、解約条件、売上予測を揃え、必要額を超えて将来売上を譲渡しない形で相談することが大切です。
