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借入できない時に経営者が打つ7手|公庫・地銀・ローン全て経験した代表が解説

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借入できない時に経営者が打つ7手|公庫・地銀・ローン全て経験した代表が解説

借入できないと言われた直後にやるべきは、原因タイプの特定(10分)と、今月の支払いから逆算した緊急度の切り分け(30分)です。この2つを終えてから、再申込・代替調達・固定費圧縮の3方向で同時に手を打ちます。私自身、日本政策金融公庫・地銀・民間ビジネスローン・保証協会付き融資をすべて経験し、何度も「今回は見送り」と言われてきました。断られた直後に動くべき順番を、現役経営者の立場で7手に整理します。

目次

借入できないと言われた経営者がまず確認する3つの事実

借入の申込が通らなかった直後は、頭が真っ白になります。私もそうでした。ただ、その状態で次のアクションを判断するのは危険です。まずは事実を3つだけ正確に押さえてください

「断られた」のか「保留」なのか文言を正確に確認する

金融機関の窓口で受け取る回答は、たいてい3パターンです。「今回は見送り」「条件付きで再提案」「現時点では難しい」。このどれに当てはまるかで、次の動き方が変わります。

「見送り」は今回の申込内容では難しいという意味で、書類や決算の状態を整え直せば再申込の余地が残ります。「条件付き」なら、担保追加や保証人追加で道が残っている合図です。「現時点では難しい」は最も重く、3〜6ヶ月単位での立て直しが必要なシグナルとなります。

担当者の言葉を曖昧に受け取らず、可能なら「再申込はいつから受け付けてもらえますか」「何が整えば検討対象になりますか」の2つを直接聞いてください。これだけで、次の動きの精度が大きく変わります。

私の経験では、担当者は最初は遠回しな言い方をします。「今回はちょっと厳しいかもしれません」「上に通してみますが期待しないでください」という表現が出てきたら、内部ではほぼ否決が決まっています。その場で粘って理由を引き出そうとせず、後日改めて「正式な回答の理由を整理して教えてほしい」と依頼するほうが、担当者も答えやすくなります。

もう一つ大事なのは、回答の文言を必ずメモに残すことです。担当者が変わると次回の窓口で話が前提から崩れることがあります。日付・担当者名・回答内容・次のアクションを書き残しておくと、3ヶ月後の再申込時に状況を整理しやすくなります。

信用情報の状態を自分で照会する手順

借入できない原因の中で、本人が気づいていないケースが一番多いのが信用情報の状態です。CIC・JICC・KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3機関に開示請求をすれば、自分の信用情報を確認できます。

CICは1,000円、JICCは1,000円、KSCは1,000円程度の手数料で、オンライン開示なら最短当日に結果が届きます。クレジットカードや住宅ローンの延滞、保証履行(保証協会が代位弁済した記録)が「異動」として登録されていると、銀行系の融資はほぼ通りません。手数料の最新情報はCICの開示請求ページで確認できます。

私の経験では、自分が把握していない古いクレジットカードの延滞が残っていて、本人もすっかり忘れていたケースをよく見ます。まず3機関で開示請求。これが第一歩です。

3機関のうち、CICはクレジットカード・割賦販売系、JICCは消費者金融・信販系、KSCは銀行・信用金庫・信用組合系の情報を管理しています。3つそれぞれに登録範囲が違うので、1機関だけ確認して安心するのは危険です。3機関すべてに開示請求するのが基本です。

異動情報以外にも、「延滞情報」「代位弁済」「強制解約」などの記号が並びます。開示結果を読み解くのが難しいと感じたら、無料の弁護士相談や認定司法書士への相談を活用してください。法テラスでは無料相談を受け付けており、信用情報の読み方も含めて対応してくれます。

過去に債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)をしている場合は、KSCでは10年、CIC・JICCでは5年程度、情報が残ります。本人が「もう古いから消えているはず」と思い込んでいて、実際にはまだ登録されているケースは少なくありません。

直近2期の決算と税金・社会保険料の支払状況をまとめる

法人なら直近2期の決算書、個人事業主なら確定申告書を手元に並べます。あわせて、法人税・消費税・源泉所得税・住民税・社会保険料の支払状況を一覧で書き出してください。

金融機関は、未払いの税金や社会保険料がある状態では融資を出しません。これは絶対的なルールに近いものです。書き出した結果、未払いが見つかったら、その金額と納期限を把握するのが優先です。

現金ショートを起こす前の確認手順は別記事で解説していますので、支払いが今月差し迫っている方はそちらも参考にしてください。

借入できない7つの原因と該当チェック

借入が通らない原因は、複数が重なっているケースがほとんどです。1つに絞り込まず、7つの観点で自分の状況をチェックしてください。

原因1:信用情報に異動(ブラック)が登録されている

CIC・JICC・KSCのいずれかに「異動」情報が登録されていると、銀行・公庫・信用金庫・保証協会付きの融資は通りません。異動情報は、61日以上の延滞・代位弁済・債務整理・自己破産などが原因で登録されます。

異動情報の登録期間は、原因により5〜10年です。期間中は金融機関からの借入が極めて難しくなります。ただし、ファクタリングは信用情報を見ないため、別の選択肢として残ります。

原因2:直近2期連続赤字または債務超過

法人の場合、直近2期が赤字だと銀行融資の難易度は一段上がります。さらに債務超過(負債が資産を上回る状態)になっていると、プロパー融資はほぼ通らず、保証協会付き融資も保証会社の審査で厳しく見られます。

私自身、売上が急減した期に赤字決算となり、メインバンクに「次期の改善計画を見てから判断したい」と言われた経験があります。赤字の理由を一過性のものとして説明できるかどうかが、判断の分かれ目でした。

赤字でも借りられるケースは確かに存在します。「設備投資のための減価償却費」「創業期の先行投資」「コロナや災害などの一時要因」といった、説明可能な赤字なら、銀行は判断材料に組み込んでくれます。逆に、毎年同じ理由で赤字が続いている場合は、構造的な問題として扱われ、再建計画なしには融資が出ません。

債務超過の解消には、役員借入金の資本振替(DES)、増資、利益の積み上げなどの方法があります。中でも、社長個人から会社への貸付金を資本に振り替えるDESは、現金を動かさずに債務超過を解消できる手段として、多くの中小企業で使われています。税理士と相談しながら進めてください

原因3:税金・社会保険料の滞納

法人税・消費税・源泉所得税・社会保険料に未払いがあると、ほぼ確実に融資は出ません。金融機関にとって、税金未払いは「税務署が会社の財産を差し押さえるリスク」と直結します。

未払い分を完納するか、税務署と分納協議に入って「納付計画書」をもらった状態でなければ、融資の土俵に乗れません。分納計画書があれば一部の金融機関は検討してくれますが、難易度は高いです。

特に注意したいのが消費税の滞納です。消費税は預り金的な性質を持つため、税務署の対応は他税目より厳しくなります。延滞税も他税目より重く積み上がります。「あとで払えばいい」と先送りにすると、半年後には完納が難しい金額になっていることがあります。

社会保険料の滞納も同様です。年金事務所からの督促状を受け取った段階で、すぐに窓口に相談してください。早めに動けば分割納付に応じてくれる確率が高いです。督促を無視して数ヶ月が経過すると、差押予告通知が届き、差押実行までの時間が一気に短くなります。

原因4:他社借入過多または総量規制超過

すでに複数の金融機関から借りていて、合計借入額が年商を超えるレベルになると、追加融資は止まります。個人事業主や個人での借入なら、貸金業法の総量規制(年収の3分の1まで)が壁になります。総量規制の詳細は日本貸金業協会の解説ページでも確認できます。

私の経験では、借入残高が年商の50%を超えたあたりから、新規の融資申込に対する金融機関の反応が明らかに鈍くなりました。借入残高は、見えない天井としていつも存在します。

原因5:自己資金不足・創業計画書の根拠が弱い

創業期や事業立ち上げ期の融資申込で多いのが、自己資金不足を指摘されるケースです。日本政策金融公庫の創業融資では、目安として希望融資額の3分の1から半分の自己資金が見られます。

加えて、創業計画書の売上予測の根拠が薄いと、担当者は「数字の絵を描いているだけ」と判断します。市場規模・競合状況・自社の獲得シナリオを、出所のあるデータで裏付ける必要があります。

自己資金は「いくらあるか」だけでなく「どうやって貯めたか」も見られます。コツコツと給与から積み立てた自己資金は評価が高く、直前に親族から借りて見せ金にしたものは評価されません。通帳の履歴を半年から1年遡って提出する必要があるため、見せ金は基本的に見抜かれます。

創業計画書では、特に売上予測の月次計画の精度が問われます。「初月は集客のために広告を打って5件獲得、2ヶ月目以降は紹介で月10件まで増やす」というレベルの具体性がないと、担当者が稟議に上げにくくなります。私自身、創業計画書を作り直して再申込し、2回目で通った経験があります。

原因6:申込書類の不備・在籍確認不可

意外に多いのが、書類の不備で審査の入口で止まっているケースです。試算表の日付が古い、決算書の一部ページが欠けている、納税証明書が指定の様式と違うなど、技術的な不備で時間を取られます。

個人事業主や小規模法人で多いのが、事務所の固定電話で在籍確認が取れないケースです。携帯番号しか登録していないと、本人確認が完了せず審査が進みません。

原因7:資金使途が不明確またはリスケ履歴あり

「運転資金」とだけ書いた申込書は、ここ数年は通りにくくなっています。何の費用に充てるのか、月次でいくら必要なのか、返済原資はどこから生まれるのかを、数字で示せないと判断材料が足りません

過去にリスケジュール(返済条件の変更)をした履歴があると、新規融資は数年単位で止まります。リスケは事業継続のための正当な選択肢ですが、再度の借入は遠ざかると考えてください。

個人事業主と法人で借入できない理由はどう違うか

当サイト掲載のファクタリング会社226社のデータでは、個人事業主に対応している会社は121社(54%)にとどまります。借入できない理由も、個人事業主と法人では構造が違います。

個人事業主が断られる主な3パターン

個人事業主が銀行・公庫で断られる主因3つ
  • 確定申告書の所得金額が低い(経費を多く計上する節税は融資審査では不利)
  • 事業と個人の口座が分かれていない(事業の実態が読み取れない)
  • 開業から1年未満で確定申告書が1期分しかない

加えて、個人事業主の場合は白色申告か青色申告かでも見られ方が変わります。青色申告で複式簿記の決算書を提出できれば、法人並みの財務情報が見えるため、審査の通りやすさが上がります。白色申告のままだと、収支内訳書のみの情報になり、金融機関は判断材料が不足します。

私の周りでも、個人事業主の経営者が銀行融資を申し込む場合、開業から3年・青色申告・事業専用口座あり、の3点が揃っていない状態だと、断られる確率がぐっと上がる印象があります。融資申込前に、まずはこの3点を整える動きが必要です。

法人が断られる主な3パターン

法人が銀行融資で断られる主因3つ
  • 決算内容(2期連続赤字・債務超過・自己資本比率が極端に低い)
  • 代表者個人の信用情報や税金未納(連帯保証前提のため個人も見られる)
  • メインバンクとの関係が薄い(日常取引なしで融資だけ頼むのは難易度高)

メインバンクとの関係を作るには、日常の入出金口座をその銀行に集約し、定期的に試算表を持参して経営状況を共有する動きが必要です。半年から1年かけて関係を築いてから初めて融資の話を切り出すのが、銀行融資の基本です。突然「来月までに大型資金が必要」と切り出しても、関係性がない銀行は動けません。

もう一つ法人特有の壁が、業歴の浅さです。法人化して2年未満だと、決算書が1期しかなく、トレンドが読めません。創業直後の法人なら、日本政策金融公庫の新創業融資の活用、もしくは民間ビジネスローンの利用が選択肢になります。

一人法人・小規模法人で起きやすい誤算

役員報酬を低く設定して所得税を抑えていると、代表者個人の与信枠が小さくなり、結果として法人の融資審査にも影響します。法人だけ・個人だけで切り離して見られないのが、小規模法人の特徴です。

私は鹿児島県で株式会社GoodWeatherを経営していますが、代表者個人と法人の両方の信用状態を、金融機関は等しく見てきます。法人化したから個人の信用情報は関係ない、という発想は通用しません

もう一つの誤算が、代表者連帯保証の重さです。中小企業の融資は、代表者が連帯保証人となるのが原則でした。経営者保証ガイドラインの普及で連帯保証なしの融資も増えてきましたが、まだ少数派です。会社が返済できなくなった場合、代表者個人の自宅や預金が差し押さえの対象になります。法人化していても、代表者個人のリスクから完全には逃れられません。

経営者の私が借入を申し込んできた4つの調達ルート

私自身、これまで複数の融資ルートを経験してきました。書類が一番大変、というのが共通の感想です。

小谷良太

私は日本政策金融公庫・地銀(鹿児島銀行)・民間ビジネスローン・保証協会付き融資、すべて経験してきました。どのルートも、書類作成と時間がかかることが一番のハードルでした。だから「時間がない経営者」や「後から確実に入金がある人」には、別の選択肢を必ず知っておいてほしいと思っています。

日本政策金融公庫の体感と所要時間

日本政策金融公庫は、創業期や売上急減期に最初に検討する金融機関です。私の体感では、申込から入金まで1ヶ月から1ヶ月半かかりました。創業計画書、試算表、納税証明書、登記簿謄本など、提出書類は多めです。

面談では、事業の数字を細かく聞かれます。売上の根拠、原価率、経費の内訳、返済原資。数字を答えられないと、その場で印象が下がります。詳しくは日本政策金融公庫の事業資金ページに申込手順がまとまっています。

地銀(鹿児島銀行)でのプロパーと保証協会付き

地銀のプロパー融資は、信用保証協会の保証を付けずに銀行が単独でリスクを取る融資です。中小企業や個人事業主にとっては最もハードルが高く、決算内容と銀行との取引実績が問われます。

保証協会付き融資は、保証協会が代位弁済を保証することで銀行のリスクを下げる仕組みです。プロパーより通りやすい代わりに、保証料(年0.45〜1.90%程度)が上乗せされます。私の経験では、保証協会付き融資は申込から入金まで1ヶ月半から2ヶ月でした。

民間ビジネスローンの審査と金利

民間のビジネスローンは、公庫や銀行に比べて審査が速く、最短数日で入金されます。ただし金利は年4%〜18%程度で、銀行融資の年1〜3%と比べると明らかに高めです。

緊急の運転資金として一時的に使うなら選択肢になりますが、長期の借入として残すと金利負担が事業を圧迫します。私は短期の橋渡しとして使った経験があります。

それぞれの「書類が一番大変」というリアル

公庫、地銀、ビジネスローン、保証協会付き、どのルートも書類の量と内容で時間を取られます。決算書、試算表、納税証明書、資金繰り表、事業計画書、代表者の本人確認書類。これらをきれいに揃えるだけで、数日かかります。

だからこそ、今日明日で資金が必要な経営者には、別の選択肢を知っておいてほしいと思っています。

借入できなかった経営者が打つ7手の優先順位

借入を断られた直後に、何から手を付けるべきか。優先順位を整理します。

第1手:原因タイプを特定する(10分でできる自己診断)

本記事のH2-2で挙げた7つの原因のうち、自分に該当するものを書き出します。複数該当することがほとんどです。原因タイプが分かると、再申込までの時間軸が見えてきます。

自分に合うファクタリング会社を診断ツールで確認するのも、選択肢の整理として有効です。

第2手:今月の支払いを並べて緊急度を切り分ける

今月の支払いを日付順に並べます。仕入、外注、給与、家賃、税金、社会保険料、リース、借入返済。日付と金額を一覧化すると、何日後にいくら必要かが明確になります。

ここで「今日明日で必要なお金」「2週間以内に必要なお金」「1ヶ月以内に必要なお金」の3層に分けます。層ごとに使える調達手段が違うので、混ぜて考えないでください。

小谷良太

頭の中で漠然と「今月キツい」と思っているうちは、判断が鈍ります。A4の紙に手書きでも構わないので、支払い項目と日付と金額を書き出すだけで、焦りが半分くらい消えます。手元残高100万を切った夜も、私は紙に書き出して整理することで何度も立て直してきました。

3層に分けたら、最優先は給与と税金、次に取引先への支払い、その次に家賃やリースの順で対処します。給与遅延は社員の信頼を一気に失います。税金滞納は延滞税が積み上がります。取引先への支払い遅延は事業継続に直結します。家賃やリースは1回の遅延では即解約にはなりにくいので、調整弁として使います。

第3手:再申込までの動き(信用情報・決算・税金)

3ヶ月から1年単位の中期で、再申込が通る状態に戻す動きです。信用情報の異動情報の確認、決算書の見せ方の見直し、税金・社会保険料の分納交渉。順番に手を付けます。

資金繰りが厳しい局面での具体的な打開策は別記事でまとめていますので、中期の動きを設計する際に参考にしてください。

第4手:今日中の資金確保(ファクタリング等の代替手段)

第1〜3手と並行して、今日明日の資金を確保します。売掛金があるならファクタリング、不動産があるなら不動産担保ローン、手元の換金可能な資産(売却可能な設備など)の整理です。

ファクタリングは売掛金を期日前に売却して現金化する手段で、信用情報を見ません当サイト掲載のファクタリング会社226社のうち、即日対応は148社(66%)です。比較サイトの中には数十社しか掲載していないものも多いですが、当サイトは中堅・新興まで含めて掲載しているので、即日対応社の選択肢が一段広がります。

不動産担保ローンは、土地・建物を担保にして資金を借ります。信用情報がブラックでも、担保価値があれば借りられるケースがあります。ただし、返済できなくなると不動産を失うため、最終手段として位置づけます。私自身、不動産を持っていなかったので使えませんでしたが、自宅以外の不動産を持っている経営者には選択肢になります。

設備売却は、使っていない機械や車両、不動産以外の資産を売る方法です。中古機械市場やビジネスオークションを使えば、即日〜1週間でキャッシュ化できることもあります。事業に必要な資産まで売ると次の売上が立たなくなるため、「事業継続に影響しない範囲」で売却対象を絞るのがコツです。

第5手:固定費の見直しと支払サイト交渉

固定費を3ヶ月以内に圧縮する余地を探します。事務所家賃の交渉、サブスクリプションの解約、通信費の見直し、リース契約の再交渉。月数万円でも、半年積み上げれば借入1回分に相当します。

並行して、仕入先や外注先に支払サイト延長を打診します。「30日サイトを60日サイトにできないか」という打診は、相手側にも事業上のメリットを示せると話が進むことがあります。

固定費見直しで最も効果が大きいのは、人件費以外の固定費です。事務所が広すぎるなら縮小移転を検討する、複数のSaaSを契約しているなら統合する、リース機器が古いなら買い取りに切り替えて月額を消す。一つひとつは小さな額でも、合計すると月10万〜30万円の改善になることがあります。

支払サイト延長は、自分の取引先に対しては丁寧に・明確に打診します。「コロナ以降の売上回復が遅れていて、一時的に支払サイトの見直しをお願いしたい」「3ヶ月の期間限定で60日サイトに変更させてほしい」という具体的な期間と条件を提示すると、相手も判断しやすくなります。曖昧な打診は、相手を不安にさせるだけです。

第6手:補助金・助成金の情報収集

補助金・助成金は信用情報を見ないため、ブラック状態でも申請できます。ものづくり補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金、雇用関連の助成金(キャリアアップ助成金など)。各制度の最新情報は中小企業庁の補助金等公募案内で確認できます。

ただし、補助金は採択から入金まで6ヶ月から1年かかります。今月の支払いには間に合いません。中期の選択肢として進めるイメージです。

補助金は基本的に「後払い」です。先に自社で費用を立て替えて、後から補助金が振り込まれる仕組みです。手元キャッシュがない状態で大型補助金を取りに行くと、立替期間の資金繰りで詰むケースがあります。補助金は資金繰り改善には直接効きません。設備投資や事業転換のための後押しとして考えてください。

助成金(雇用関連)は要件を満たせば原則受給できる仕組みで、補助金より採択率が高めです。キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、雇用調整助成金などは、社労士に相談して申請するケースが多いです。社労士費用がかかりますが、自社で申請するより通過率が上がります。

第7手:事業を閉じる選択肢を含めた中長期判断

借入が3ヶ月以上立て続けに断られ、固定費圧縮の余地もなく、売上の回復見込みも立たない場合は、事業の縮小や閉鎖を選択肢に入れる必要があります。

撤退は失敗ではありません。撤退して残ったキャッシュで次の事業を立ち上げる経営者を、私は何人も見てきました。閉じることを早めに決断したほうが、債務を最小化できます。

事業を続けるか閉じるかの判断基準として、私自身が一番効いたと感じたのは、売上ゼロになったら何ヶ月で破産するかをシミュレーションしたことです。手元キャッシュ÷月次固定費で、生存可能月数が見えます。これが3ヶ月を切ったら、事業の方向転換か縮小を真剣に検討する時期です。

中小企業の経営者向けには、中小企業基盤整備機構の経営相談窓口や、各都道府県のよろず支援拠点が無料の相談を受け付けています。撤退の判断は一人で抱え込まず、第三者の視点を入れて決めてください。私の場合も、税理士と公庫の担当者に状況を率直に話すことで、判断の精度が上がりました。

今日中に資金を確保するファクタリングの動線

借入が断られた経営者の多くが、最終的にファクタリングを選択肢として検討します。ここでは具体的な動線を整理します。

小谷良太

私が資金繰りで苦しんでいた当時、ファクタリングという選択肢を知りませんでした。後からこういう手段があると知り、口コミ情報をまとめたメディアが少ないことに気づいたので、ファクマッチを立ち上げました。経営者が孤独な決断をする時、選択肢を多く知っていることが命綱になると思っています。

ファクタリングが信用情報ブラックでも使える理由

ファクタリングは融資ではなく、売掛金の売却です。審査の対象は売掛先(取引先)の信用力であり、自社の信用情報や決算内容は二次的な判断材料です。

そのため、CIC・JICC・KSCに異動情報があっても、税金未納があっても、決算が赤字でも、売掛先がしっかりした取引先なら審査を通過できます。これが、借入できない状態の経営者にとって最後のセーフティネットとして機能する理由です。

もう一つ重要なのが、ファクタリングの利用履歴は信用情報に登録されない点です。融資と違い、CIC・JICC・KSCのどこにも記録が残りません。そのため、後から住宅ローンを組む際や、別の融資を申し込む際にも影響しません。

ただし、注意点もあります。手数料は融資金利より高く、年率換算で20〜30%相当になることもあります。緊急時の橋渡しとして使い、慢性的な資金不足の解決策にはしないのが基本です。私自身、ファクマッチを運営する中で、利用者の多くが「最初の1回が一番悩んだ」と話します。仕組みを理解すれば、選択肢の一つとして冷静に判断できます。

即日入金まで実際に何時間かかるか

当サイト掲載のファクタリング会社226社のうち、即日入金対応は148社。ただし「即日」の中身は会社によって幅があります。請求書をアップロードして3時間で入金、というケースもあれば、書類確認のやり取りで半日かかるケースもあります

午前中に申込めば当日入金される可能性が高く、午後の遅い時間からだと翌営業日になることが多いです。今日中に必要な場合は、午前9時〜10時の申込が現実的なラインです。

即日入金を確実にするコツは、事前に書類を揃えておくことです。必要書類は会社によりますが、共通するのは「請求書(売掛金の根拠)」「直近の通帳コピー(入金実績の確認)」「本人確認書類」の3点です。法人の場合は登記簿謄本や決算書も求められます。

書類が不足していると、追加提出のやり取りで半日が消えます。ファクタリング会社のサイトで必要書類リストを事前にチェックして、ファイルをまとめておくと、申込から入金までの時間が大きく短縮されます。金融庁の中小企業金融データリンク集にも、資金調達手段の比較情報がまとまっています。

個人事業主が使える会社の見分け方

個人事業主に対応している会社は、当サイト掲載のファクタリング会社226社のうち121社(54%)です。法人専用の会社も多いため、申込前に「個人事業主可」を確認する必要があります。

確定申告書1期分から申し込める会社、本人確認書類と請求書のみで完結する会社など、必要書類の少なさも選定の軸になります。即日入金対応のファクタリング会社ランキングをチェックすると、個人事業主可の会社を絞り込めます。

個人事業主が見るべき3つのチェックポイント
  • 買取下限額(下限10万円や30万円から対応する会社を選ぶ)
  • 手数料の上限(複数社に見積もりを取って比較する)
  • 契約形態(2社間ファクタリングなら取引先には通知されない)

第1の買取下限額は、下限が100万円や300万円に設定されている会社は、個人事業主の少額売掛金には合いません。第2の手数料の上限は、個人事業主向けは法人向けより手数料が高めに設定されることが多く、手数料20%を超える会社もあります。第3の契約形態は、3社間ファクタリングは取引先への通知が入るため、関係性に影響することがあります。

当サイトの口コミ423件から見える「即日」のリアル

当サイトには現時点で423件の利用者口コミが集まっています。口コミを読むと、「申込から3時間で入金された」という声と、「即日と書いてあったが、結局翌日入金だった」という声の両方が並びます。

会社ごとの口コミを比較すると、即日入金の実績が安定している会社と、ばらつきが大きい会社が見えてきます。緊急時に1社だけで判断するのは危険なので、口コミの傾向を含めて比較することをおすすめします。即日資金調達の手順は別記事で詳しく解説しています。

私自身、当サイトで口コミを読み続けてきた中で気づいたのは、「初回利用者の即日入金率」と「リピート利用者の即日入金率」に差があることです。初回は書類確認や本人確認に時間がかかるため、即日が難しいケースがあります。一方、過去に取引実績がある会社に再申込する場合は、手続きが簡略化され、3時間以内に入金されるケースが増えます。

緊急時に備えるなら、普段から1〜2社のファクタリング会社に口座開設だけ済ませておくのも一つの戦略です。実際に売却するかは別として、書類の事前登録だけ済ませておけば、いざという時に即日入金の確率が大きく上がります。

借入できない状態を3ヶ月で抜ける動き方

即日の資金確保とは別に、3ヶ月から1年単位で「次の融資が通る状態」に戻す動きを並行で進めます。

信用情報の異動情報が消えるまでの期間

CIC・JICC・KSCの異動情報は、完済から5年で消えるのが一般的です。KSC(全銀協)の場合は、自己破産情報が10年残ります。

期間中はじっと待つしかありませんが、完済日を正確に把握しておくと、「いつから再申込できるか」のスケジュールが見えます。完済証明書を保管しておくと、後の証明に役立ちます。

異動情報がある期間中は、銀行・信用金庫・消費者金融からの借入はほぼ不可能ですが、ファクタリング・補助金・助成金は使えます。「あと何年で異動情報が消えるか」をカレンダーに書いておき、その間は他の調達手段で事業を回し、消えた直後に金融機関に再申込する戦略を取ります。

日本貸金業協会の貸付自粛制度を使うことで、自分で意図的に借入を制限することもできます。借金癖がある人や、複数のカードローンを使い込んでしまった経営者にとっては、生活立て直しのきっかけになる制度です。

決算書の見せ方を整える(債務超過の解消順序)

債務超過の状態は、銀行融資の最大級の壁です。解消する順序としては、第1に役員借入金の資本振替(DES)、第2に増資、第3に利益の積み上げです。

役員借入金(社長個人から会社への貸付金)を資本に振り替えると、会計上の負債が減り、債務超過が一気に改善します。私自身、会社への貸付金で凌いだ経験があり、役員報酬0を経験した期もありました。後の資本振替は事業を立て直すうえで重要な選択肢になりました。税理士と相談して進めてください

税金・社会保険料の分納交渉の打診手順

未払いの税金や社会保険料がある場合は、税務署や年金事務所に自分から相談します。窓口は意外と対応が柔軟で、「払う意思があり、計画を立てられる」状態であれば、分納に応じてくれるケースが多いです。

分納計画書をもらった状態なら、一部の金融機関は融資検討の土俵に乗せてくれます。放置するほど、差し押さえや延滞税のリスクが上がります。気づいた時点で動くのが鉄則です。

創業計画書・事業計画書を作り直す3つの軸

再申込に向けて、計画書を作り直します。3つの軸を意識してください。第1に、売上予測の根拠(市場規模・競合・獲得シナリオ)。第2に、原価と経費の内訳(固定費・変動費の構造)。第3に、返済原資の試算(キャッシュフローでの返済可能額)。

中小企業庁2024年版 中小企業白書では、中小企業の借入動向の統計が確認できます。業界平均の数字を計画書に組み込むと、説得力が増します。中小企業庁が公表する中小企業を支える資金調達の章にも、金融機関の貸出動向や保証制度の情報がまとまっており、計画書の前提条件として引用できます。

計画書を作り直す際は、過去の数字も合わせて整えます。試算表は最新月のものを用意し、決算書は3期分を見せられる状態にしておきます。「過去の数字(実績)→現在の状況(試算表)→未来の計画(予測)」の3点セットが揃っていると、担当者の稟議が通りやすくなります。

資金繰り改善の仕組み化は別記事で解説していますので、計画書の作り直しと並行して、日々の資金繰り管理も整えてください。

借入できない時に絶対にやってはいけない4つの行動

借入が断られた直後は、判断力が落ちます。だからこそ、絶対にやってはいけない行動を4つ明示しておきます。

小谷良太

私自身、苦しい時期も「消費者金融・身内借金・脱税・社員給与遅延」の4つだけは絶対にやりませんでした。この4つに手を出してしまうと、経営の立て直しが一気に困難になります。何度も苦しんだ経験から、ここだけは譲れないラインです。

消費者金融・闇金からの借入

消費者金融からの借入は、信用情報に登録されて銀行融資の道をさらに遠ざけます。闇金は論外で、法外な金利と回収行為で事業を破壊します。私自身、消費者金融には一度も手を出しませんでした。経営判断として絶対にNGです。

身内・知人からの借金

身内や知人からの借金は、関係性を破壊します。返済できなかった時、事業の失敗だけでなく人間関係まで失います。やむを得ず頼る場合は、必ず契約書を交わし、返済計画を明文化してください。口約束は禁物です。

売上の付け替え・脱税

決算をよく見せるための売上の付け替えや、税金を減らすための脱税は、後の税務調査で必ず露見します。追徴課税と延滞税で、事業のキャッシュが一気に消えます。違法行為は選択肢に入れないでください。

社員給与の遅延

社員給与の遅延だけは、何があっても回避するのが鉄則です。労働基準法違反であり、社員の信頼を一度失うと取り戻せません。給与は他の支払いより最優先で確保してください。

借入できない経営者からよくある質問

借入を断られた直後の経営者から、当サイトによく寄せられる質問をまとめます。

Q1. 借入を断られた直後、まず何をすればいいですか?

最初にやるべきは2つです。第1に、金融機関の回答文言(「見送り」「条件付き」「現時点では難しい」のどれか)を正確に確認すること。第2に、CIC・JICC・KSCの3機関で信用情報を開示請求すること。この2つで、原因がどこにあるかと、再申込までの時間軸が見えます。並行して、今月の支払いを日付順に並べて緊急度を切り分け、ファクタリングなどの代替調達手段を検討してください。

Q2. 信用情報がブラックでも借りられる方法はありますか?

銀行・信用金庫・消費者金融からの借入はほぼ不可能ですが、ファクタリングは利用できます。ファクタリングは融資ではなく売掛金の売却で、審査対象は売掛先の信用力です。CIC・JICC・KSCに異動情報があっても、売掛先がしっかりした取引先なら審査を通過できます。利用履歴も信用情報には残りません。不動産を持っている場合は不動産担保ローンも選択肢になります。

Q3. 税金を滞納していると絶対に借入できませんか?

法人税・消費税・源泉所得税・社会保険料に未払いがあると、銀行や公庫からの融資はほぼ出ません。ただし、税務署や年金事務所と分納協議に入って「納付計画書」をもらえば、一部の金融機関は検討してくれます。完納が難しい場合でも、放置せず、自分から税務署に相談するのが鉄則です。窓口は意外と対応が柔軟で、「払う意思があり、計画を立てられる」状態であれば分納に応じてくれます。

Q4. 個人事業主が銀行に断られやすい理由は何ですか?

個人事業主が断られる主因は3つあります。第1に、確定申告書の所得金額が低いこと(節税で経費を多く計上すると不利になる)。第2に、事業と個人の口座が分かれていないこと。第3に、開業から1年未満で確定申告書が1期分しかないこと。融資申込前に、開業から3年・青色申告・事業専用口座あり、の3点を整える動きが必要です。

Q5. ファクタリングは即日入金されますか?

当サイト掲載のファクタリング会社226社のうち、即日入金対応は148社(66%)です。ただし「即日」の中身は会社によって幅があり、3時間で入金されるケースもあれば、書類確認で半日かかるケースもあります。今日中に必要な場合は、午前9時〜10時の申込が現実的なラインです。請求書・直近の通帳コピー・本人確認書類の3点を事前に揃えておくと、申込から入金までの時間が大きく短縮されます。

Q6. 創業1年目で借入できない場合の選択肢はありますか?

創業期は、日本政策金融公庫の新創業融資が最初の選択肢です。自己資金の目安は希望融資額の3分の1から半分、創業計画書の売上予測の根拠を出所のあるデータで裏付けることが重要です。それでも難しい場合は、民間ビジネスローンや、売掛金があるならファクタリングを検討してください。創業時の融資が通らなくても、半年〜1年の実績を作ってから再申込すると通る確率が上がります。

Q7. 借入を断られた状態から3ヶ月で立て直せますか?

原因によります。書類不備や創業計画書の修正なら、1〜3ヶ月で再申込可能な状態に戻せます。税金・社会保険料の滞納も、分納協議に入れば3ヶ月で「納付計画書」を取得できます。一方、信用情報の異動情報がある場合は、完済から5年(KSCの自己破産は10年)が必要で、3ヶ月では解消できません。この場合は、ファクタリングなどの代替手段で事業を回しながら、異動情報が消えるまで待つ戦略になります。

同じ立場の経営者として伝えたいこと

借入できないと言われた直後の重さは、経験した人にしか分かりません。

選択肢を多く持つことが事業継続の命綱

融資、ファクタリング、補助金、固定費圧縮、支払サイト交渉、資産売却。一つひとつは小さくても、組み合わせれば事業は続きます。今日借入が通らなくても、明日のルートを諦める理由にはなりません。私自身、選択肢を一つずつ知っていったことで、何度も乗り越えてきました。同じやり方で、あなたも今を超えられると私は思っています。

撤退も立て直しの一手

事業を閉じる選択肢を早めに視野に入れることは、経営者の重要な判断軸です。撤退して残ったキャッシュで次の事業を立ち上げる経営者を、何人も見てきました。閉じることを早めに決断したほうが、債務を最小化できます。立て直しの一手として、撤退も検討する価値があります。

私自身、苦しんでいた時期に「事業を畳むという選択もあるな」と何度も考えました。実際には畳まずに役員報酬を0にして貯金を切り崩し、会社への貸付金で凌ぎながら立て直してきました。畳まなかった理由は、まだ売上の戻し方が見えていたからです。逆に、戻し方が見えない状態なら、早めに畳む判断もアリだったと思います。

次に進むためのチェックリスト

本記事で挙げた動きをチェックリストにまとめます。

借入できないと言われた直後にやることチェックリスト
  • 金融機関の回答文言(見送り/条件付き/難しい)を正確に確認したか
  • CIC・JICC・KSCで信用情報を開示請求したか
  • 今月の支払いを日付順に並べ、3層に切り分けたか
  • 売掛金がある場合、ファクタリングを比較検討したか
  • 税金・社会保険料の未払いがある場合、分納交渉を始めたか
  • 固定費の見直しを3項目以上洗い出したか
  • 補助金・助成金の情報を1つ以上収集したか

借入できないと言われた経営者が、今日と3ヶ月後の両方で動ける状態をつくる。これが本記事の目的でした。ご自身の状況に合うファクタリングや代替手段を選んで、今を乗り越えてください。

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この記事を書いた人

株式会社GoodWeather 代表取締役。2021年創業。事業拡大期に資金繰りの壁に直面し、銀行融資で乗り越えた経験を持つ。その過程で「融資が通らない経営者には、まともな比較情報すらない」と気づく。どの会社が自分に合うのか226社から探すのは現実的じゃない——その課題を解決するためにファクマッチを立ち上げた。

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