資金繰りが厳しい時に経営者が打つ5手は、(1)24時間以内の資金棚卸し、(2)危険度セルフ診断、(3)1週間以内のメインバンクと公庫対応、(4)1ヶ月以内のファクタリング活用、(5)3ヶ月以上での立て直しロードマップです。私自身、創業前から現在まで何度も資金繰りに苦しんできました。手元残高が100万円を切ったこと、役員報酬を0にして貯金を切り崩したこと、YouTubeチャンネルのアカウント削除で売上が一気に消えたこと——すべて経験してきました。
メインバンクからの追加融資が「半年は様子見」と言われた経営者の方、来月の支払いに手元現金が足りないとわかった経営者の方、深夜に「資金繰り 厳しい」と検索したあなたの状況が、他人事に思えません。
本記事では、ファクマッチ編集部が独自に調査した226社のファクタリング会社データ(即日対応148社・個人事業主対応121社)と、私自身の役員報酬0からの立て直し体験をベースに、今夜から3ヶ月以上のスパンで打てる5手を時系列で解説します。読み終わる頃には、自社の危険度を客観判定でき、明日の朝に動かすべき相談先と資金調達手段の優先順位が決まっている状態を目指します。
私が一番効いたと感じた「売上ゼロ何ヶ月で破産か」シミュレーション
私が一番効いたと感じたのは、売上ゼロになったら何ヶ月で会社が破産するかをシミュレーションしたことです。具体的には、手元現金から月の固定費(家賃・人件費・リース料・税金分の積立)を割り、何ヶ月生き残れるかを計算しました。
このシミュレーションをやると、「あと何ヶ月の猶予がある」が数字で見えるので、不思議と冷静になれます。「あと2ヶ月しかない」と判明した時は、その2ヶ月をどう使うかに集中できました。逆に「あと6ヶ月ある」とわかった時は、焦って手を打つよりも、固定費削減と売上再構築に時間を使う判断ができました。
第1手の資金棚卸しが終わったら、次の章で自社の資金繰り危険度を診断するチェックリストで客観判定してみてください。
自社の危険度を客観判定する|セルフ診断5項目と3つの数字
自社の資金繰り危険度は、5項目のセルフ診断と3つの数字(月商・現預金・売掛金回転期間)で客観判定できます。感覚で「やばい」「まだ大丈夫」と判断するのではなく、数字で診断するのが第2手と並行で打つべきアクションです。
資金繰り危険度セルフ診断5項目チェックリスト
次の5項目のうち、いくつ当てはまるかチェックしてください。3つ以上で「赤信号」、2つで「黄信号」、1つ以下で「青信号」と私は判定しています。
- 手元現金が月商の1ヶ月分未満である
- 直近3ヶ月の営業キャッシュフローが連続マイナスである
- メインバンクから「追加融資は様子見」と言われた、または打診を躊躇している
- コロナ融資(ゼロゼロ融資)の返済が始まっている、または6ヶ月以内に始まる
- 来月の支払予定額が手元現金+翌月入金予定の合計を上回っている
3つ以上当てはまる方は、H2-4の銀行・公庫対応とH2-5のファクタリングを並行で動かすことを検討してください。
相談前に手元で確認すべき3つの数字
専門家(税理士・経営革新等支援機関・銀行)に相談する前に、次の3つの数字を手元で確認しておきます。これがあるとないとで、相談の精度が変わります。
| 数字 | 算出方法 | 危険水準の目安 |
|---|---|---|
| 月商比現預金 | 現預金残高 ÷ 月商 | 1ヶ月分未満 |
| 売掛金回転期間 | 売掛金残高 ÷(月商 ÷ 30) | 60日超 |
| 営業キャッシュフロー | 営業活動による現金収支(直近3ヶ月平均) | 連続マイナス |
これらは、税理士に相談するときも、銀行に追加融資を打診するときも、最初に聞かれる項目です。手元で先に計算しておくと、相談時間を「数字の説明」ではなく「打ち手の相談」に使えます。
黒字倒産の入口かを判定する基準
「売上は立っているのに資金が足りない」状態は、黒字倒産の入口かもしれません。判定基準は次のとおりです。
- 損益計算書上は黒字(売上>費用)
- しかしキャッシュフロー計算書の営業CFはマイナス
- 売掛金が回収できないまま、買掛金や経費の支払いが先行している
この状態が続くと、いくら売上が立っても会社の現金は減り続けます。黒字倒産の典型パターンは、急成長中に売掛金が膨らみすぎたケース・大口取引先の支払サイトが長すぎるケースです。判定基準に当てはまる方は、売掛金の早期回収・ファクタリング活用・売掛金回収サイトの短縮交渉のいずれかを優先します。
個人事業主・小規模法人の場合の追加チェック
従業員数1〜10名規模の個人事業主・小規模法人の方は、次の追加チェックも見てください。
- 国民健康保険料・国民年金の納付が遅延していないか(個人事業主のみ)
- 代表者個人の生活費の積立はあるか(最低3ヶ月分)
- 法人カード・代表者保証付き借入の依存度はどれくらいか
個人事業主の場合は法人より資金調達手段が限られます。ファクマッチのデータで言うと、個人事業主が使えるファクタリング会社は226社中121社(54%)です。法人専用と比べて選択肢は半分になりますが、それでも100社以上の選択肢があると考えてください。
1週間以内に経営者が打つ第2〜3手|銀行・公庫・公的支援の動かし方
1週間以内に動かすべきは、メインバンクへの状況共有・日本政策金融公庫のセーフティネット貸付の打診・公的支援制度の確認です。融資は判断と入金まで時間がかかるため、なるべく早く動かします。私自身、日本政策金融公庫・地銀・民間ビジネスローン・保証協会付き融資、すべて経験してきました。書類作成と時間がかかることが一番大変でした。
メインバンクへの相談タイミングと持参資料
メインバンクへの相談は、「資金繰り表で1ヶ月以内に資金ショートが見えた瞬間」が最速のタイミングです。「来月足りない」と判明してから動くのでは遅いです。持参すべき資料は次の5つです。
- 直近3期分の決算書(貸借対照表・損益計算書・販管費明細)
- 試算表(直近月まで)
- 資金繰り表(向こう6ヶ月分の予測)
- 売上計画・受注残一覧
- 改善策の整理(固定費削減・売上計画・追加融資の使途)
メインバンクに「半年は様子見」と言われた場合でも、状況共有は続けてください。半年後の再打診のために、毎月の試算表を共有しておくと判断材料になります。
日本政策金融公庫のセーフティネット貸付の使い方
メインバンクで難色を示された場合の次の一手が、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付です。経営環境の変化で一時的に売上が減少した中小企業向けの融資制度で、運転資金として活用できます。
申込から融資実行までは、私の経験では早くて3週間、遅いと2ヶ月かかります。書類作成の所要時間も加味して、1週間以内には動き始めるのが安全です。詳細は日本政策金融公庫のセーフティネット貸付の詳細コラム記事でも解説しています。
私が経験した4ルート(公庫・地銀・ビジネスローン・保証協会付き)の所感
私は日本政策金融公庫・鹿児島銀行(地銀)・民間ビジネスローン・保証協会付き融資、すべて経験してきました。それぞれの所感を率直に書きます。
| ルート | 私の所感 |
|---|---|
| 日本政策金融公庫 | 金利は低い。ただし書類が多く、面談の準備が大変。中小企業の最初の選択肢 |
| 地銀(鹿児島銀行) | メインバンクとして長期の取引関係があれば動きやすい。担当者次第 |
| 保証協会付き融資 | 地銀経由で申込。審査は時間がかかるが、無担保枠が使える |
| 民間ビジネスローン | 金利が高めだがスピードが速い。緊急時の一時しのぎとして |
経営者にとって一番大切なのは、選択肢を多く持って事業を継続させることです。時にはプロジェクトや事業を閉じる選択も、立て直しの一手になります。ファクタリングは、選択肢の一つとして知っておくべき手段です。私自身、当時知らなかったことを今でも悔やんでいます。
次のアクション|3社のファクタリング会社を比較してみる
本記事を読み終えたら、次のアクションとして、ファクマッチに掲載の226社のうち、自社の条件(即日対応・個人事業主可・手数料水準・2社間/3社間)に合う3社を選んで比較してみてください。複数社の見積もりを取ることで、手数料の交渉余地も見えてきます。
資金繰りが厳しい状況からの立て直しは、一夜では終わりません。でも今夜の一手・1週間以内の一手・1ヶ月以内の一手を積み上げれば、3ヶ月後・1年後の景色は確実に変わります。資金調達の選択肢を増やすために、資金調達コラム一覧で関連記事もチェックしてみてください。
