ビジネスローンは経費になる?事業資金返済の勘定科目と仕訳

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本記事は広告・PRを含みます。会計・税務の一般的な情報を整理したもので、個別の処理は契約内容、借入目的、返済期間、採用する会計方針、法人・個人の別によって変わります。実際の仕訳や申告は、返済予定表と契約書をもとに税理士等へ確認してください。

ビジネスローンなどの事業資金を返済したときは、口座から引き落とされた総額を一つの経費にしません。元金は「短期借入金」または「長期借入金」を減らし、利息は「支払利息」、振込手数料は「支払手数料」などへ分けるのが基本です。

返済総額をそのまま「支払利息」や「雑費」にすると、借入金残高と費用の両方がずれます。金融機関の返済予定表を見て、元金と利息を分けてください。

この記事では、毎月返済、借入時、決算時、完済時の仕訳に加え、信用保証料や繰上返済手数料がある場合の考え方を解説します。返済予定表、通帳、帳簿を照合する手順も整理します。

最初に分ける4項目
  • 元金: 短期借入金または長期借入金を減らす。通常は返済時の費用ではない
  • 利息: 支払利息。個人事業主の収支内訳書では利子割引料
  • 振込・事務手数料: 支払手数料等。役務の内容と会計方針を確認する
  • 信用保証料: 支払時に全額費用とは限らず、保証期間に応じた期間配分を検討する

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目次

事業資金を返済したときの勘定科目一覧

まず、返済明細に含まれる金額と勘定科目の対応を確認します。

返済明細の項目主な勘定科目返済時の費用になるか消費税の基本的な考え方
返済元金短期借入金・長期借入金ならない対象外
借入金利息支払利息事業分は費用非課税
振込手数料支払手数料事業分は費用課税が一般的
融資の契約・事務手数料支払手数料等内容により費用または期間配分役務提供の対価は課税
信用保証料前払費用・長期前払費用等保証期間に応じて費用化を検討非課税
繰上返済手数料支払手数料等契約と内容により判断名称だけで決めず内容を確認

表は一般的な例です。金額の重要性、支払期間、企業会計上の処理と税務上の扱いによって、使う科目や費用化の時期は異なります。同じ「手数料」という名前でも、金融サービスの対価か、信用保証の対価かで税区分が変わるため、請求書と契約書を確認してください。

国税庁の消費税タックスアンサーでは、貸付金の利子と信用保証料を非課税取引として挙げています。一方、国税庁の金融取引に関する質疑応答では、契約や事務の役務提供に対する手数料は課税対象になると説明しています。

元金は短期借入金または長期借入金を減らす

返済元金は、借りたときに計上した負債を減らす金額です。借入期間が1年以内の借入れには短期借入金、1年を超える借入れには長期借入金を使うのが一般的です。決算時に1年以内返済予定分を区分する場合は、会社の表示方針に従います。

返済のたびに、当初の借入時と同じ借入金科目を減額します。返済元金を費用にすると、帳簿上の借入残高がいつまでも減りません。

利息は支払利息で処理する

借入金の利用対価である利息は、一般に支払利息で処理します。個人事業主が白色申告で収支内訳書を使う場合、事業用資金の借入金利子は「利子割引料」へ記載します。

国税庁の令和7年分収支内訳書(一般用)にも、事業用資金の借入金利子を利子割引料へ記載する案内があります。私用分や家事分が混ざる場合は、事業に必要な部分だけを区分してください。

手数料は内容を見て科目と税区分を決める

銀行振込手数料は支払手数料とするのが一般的です。ただし、融資実行手数料、契約手数料、繰上返済手数料、信用保証料は同じものではありません。

信用保証料について、全国信用保証協会連合会は、信用保証協会が信用保証を行う対価と説明しています。名称に「保証」が付いていても保険料ではありません。保証期間が複数年度にわたる場合は、前払費用や長期前払費用として期間配分する処理を検討します。

毎月の返済仕訳

毎月返済では、返済予定表に記載された元金、利息、手数料を分けます。

元金10万円・利息5,000円・手数料330円の例

長期借入金の元金10万円、利息5,000円、振込手数料330円が普通預金から引き落とされた場合の例です。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
長期借入金100,000円普通預金105,330円
支払利息5,000円
支払手数料330円

借方の合計と貸方の合計は10万5,330円で一致します。元金は長期借入金残高を減らし、利息と手数料だけが損益計算書の費用になります。

返済予定表の「返済額」だけを見ず、「元金」「利息」「その他費用」の内訳を転記するのが要点です。

元利均等返済では毎月の内訳が変わる

元利均等返済は、毎月の返済総額がおおむね一定でも、返済初期は利息の割合が大きく、返済が進むと元金の割合が増える方式です。毎月同じ元金・利息で仕訳を複製せず、その月の返済予定表を確認します。

毎月返済額や利息総額の計算は、事業資金の返済シミュレーションで確認できます。本記事は計算結果を帳簿へ反映する方法に限定します。

元金均等返済では返済総額が変わる

元金均等返済は、元金部分が一定で、残高の減少に伴って利息が減る方式です。こちらも、口座引落額を一つの科目で処理せず、元金と利息を分けます。

借入時・決算時・完済時の仕訳

返済時の仕訳を正しくするには、借入時に計上した科目と帳簿残高を確認する必要があります。

借入時は普通預金と借入金を計上する

金融機関から300万円を借り、普通預金へ入金された場合の例です。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
普通預金3,000,000円長期借入金3,000,000円

実際の入金額から信用保証料や事務手数料が差し引かれている場合、契約上の借入元金と通帳入金額は一致しません。差引額だけを借入金として計上せず、借入総額と控除された費用を分けます。

決算時は1年以内返済分の表示を確認する

長期借入金のうち、決算日の翌日から1年以内に返済する部分を短期区分へ振り替える場合があります。表示科目は会社の会計方針や財務諸表の様式に合わせ、毎期継続して処理してください。

e-Taxの法人税申告書別表等一覧には「借入金及び支払利子の内訳書」が掲載されています。申告時は借入先別の期末残高や利子との整合も確認します。

完済時は帳簿残高がゼロになるか確認する

最終返済では、端数利息、繰上返済手数料、保証料の返戻などが加わり、通常月と金額が異なることがあります。完済証明や最終明細を入手し、対象の借入金残高がゼロになったか確認します。

残高が数円から数千円残った場合、すぐ雑収入・雑損失へ振り替えず、過去の元金と利息の転記、決算振替、手数料の混在を調べてください。

信用保証料・事務手数料・繰上返済費用の扱い

融資の関連費用は、支払先、サービス内容、対象期間により処理が異なります。

信用保証料は保証期間を確認する

信用保証協会へ支払う保証料は、借入期間全体の保証の対価です。複数年度に対応する金額を支払った場合、支払時に前払費用や長期前払費用へ計上し、保証期間に応じて費用化する方法を検討します。

繰上返済に伴い保証料の一部が返戻された場合は、当初の処理と未償却残高を確認し、同じ方針で返戻を反映します。返戻額を理由なく雑収入へ入れると、未償却の前払費用が残ることがあります。

融資実行手数料は契約書で内容を確認する

事務手続きの対価として支払う手数料は、支払手数料等で処理する例があります。一方、多額で借入期間全体に関係する費用は、企業会計上の判断や税務処理の確認が必要です。

科目名だけで一括処理せず、請求書の名目、契約条項、対象期間、消費税区分を一組で確認します。

繰上返済手数料は最終明細と照合する

繰上返済では、元金、経過利息、繰上返済手数料がまとめて引き落とされることがあります。返済額全体を借入金にせず、金融機関の精算明細どおりに分けてください。

調達手段ごとの利息・手数料の比べ方は、資金調達コストの比較で解説しています。

法人と個人事業主の注意点

借入金返済の基本は同じですが、個人事業主は事業用と私用の区分に注意が必要です。

事業用借入れと私用借入れを混ぜない

個人名義の借入れでも、事業のために使ったことが契約書、入出金、領収書等で確認できれば、事業用部分の利息を必要経費として扱える場合があります。反対に、私生活のための借入元金・利息は事業帳簿へ入れません。

国税庁の白色申告者向け記帳案内では、業務用資産の取得のための借入金利子について、必要経費にする考え方と、使用開始前の期間に対応する利子を取得価額へ算入できる扱いが示されています。設備資金の利息は、取得時期と使用開始時期も税理士等へ伝えてください。

事業資金の目的区分は、運転資金と設備資金の違いも参考にしてください。

個人口座から事業用借入金を返済した場合

事業用の借入金を個人の資金から返済した場合、貸方に「事業主借」を使う方法があります。たとえば、元金10万円と事業用利息5,000円を個人資金で支払った場合の例です。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
長期借入金100,000円事業主借105,000円
利子割引料5,000円

借入れ自体が私用なら、事業帳簿に借入金を計上しません。口座名義だけで決めず、資金使途と帳簿上の借入残高を確認します。

小谷良太

返済の仕訳は通帳だけでは完成しません。通帳に出るのは引落総額なので、金融機関の返済予定表を横に置き、元金・利息・手数料を分けて入力してください。

返済予定表・通帳・帳簿を照合する3ステップ

月次決算では、返済を入力した後に3つの資料を照合します。

1. 返済予定表で元金と利息を確認する

金融機関から交付された返済予定表で、対象月の約定返済日、元金、利息、返済後残高を確認します。金利変更や繰上返済があった場合は、変更後の予定表を使ってください。

2. 通帳で実際の引落額と日付を確認する

予定日が休日の場合、引落日が翌営業日になることがあります。通帳の引落額が予定表の元金・利息・手数料の合計と一致するか確認します。

3. 総勘定元帳の借入金残高を確認する

仕訳後の短期借入金・長期借入金残高が、返済予定表の返済後元金残高と一致するか確認します。決算時に短期・長期を振り替えている場合は、両科目を合算して照合します。

残高が合わないときの確認順
  1. 返済総額をすべて元金または費用にしていないか
  2. 利息や振込手数料が元金へ混ざっていないか
  3. 返済日と記帳月がずれていないか
  4. 繰上返済、借換え、追加借入れを記帳したか
  5. 決算時の短期・長期振替を二重計上していないか
  6. 保証料返戻や端数精算を反映したか

差額を雑費や雑収入で埋める前に、返済予定表、通帳、借入金元帳の三つを同じ基準日で揃えてください。

返済元金が経費にならない理由と資金繰り

借入時は、現金が増える一方で借入金という負債も増えるため、借りた元金は売上ではありません。返済時はその逆で、現金と負債が同時に減ります。したがって、返済元金は通常、損益計算書の費用になりません。

ただし、損益上の費用にならなくても、口座から現金は出ていきます。利益が出ていても、元金返済が大きければ資金繰りが苦しくなることがあります。

「経費にならない」と「資金負担がない」は別です。損益計画では利息等を費用として見込み、資金繰り表では元金と利息を含む実際の返済額を見込みます。

事業資金返済で多い記帳ミス

返済総額を全額支払利息にする

元金部分まで費用にすると、利益が過少になり、借入金残高が減りません。返済予定表で元金と利息を分けます。

返済総額を全額借入金にする

利息や手数料まで借入金へ入れると、帳簿残高が予定表より大きく減ります。引落総額と元金を混同しないでください。

差引入金額だけを借入金にする

融資実行時に保証料や事務手数料が控除されていても、契約上の借入元金は総額です。通帳入金額だけで借入金を計上せず、控除明細を分けます。

信用保証料を保険料にする

信用保証料は、信用保証協会による保証の対価です。保険料という名称へ機械的に入れず、対象期間と税区分を確認します。

事業用と私用の利息を分けない

個人事業主が借入金を事業と私生活の両方へ使った場合、利息全額を事業経費にするのではなく、合理的な基準で事業分を区分します。

事業資金返済の勘定科目に関するよくある質問

Q. 事業資金の返済元金は何の勘定科目ですか?

A. 返済期限に応じて、短期借入金または長期借入金を減らします。元金は借りた負債の返済であり、通常は支払時の費用にはしません。

Q. 借入金の利息は何の勘定科目ですか?

A. 一般には支払利息で処理します。個人事業主の収支内訳書では、事業用借入金の利子を利子割引料へ記載します。事業用と私用が混在する場合は、事業分だけを区分してください。

Q. 返済額を全額経費にできますか?

A. 返済額のうち元金部分は通常、経費ではなく借入金の減少です。利息や手数料等は、事業関連性と内容に応じて費用処理します。

Q. 信用保証料は支払手数料で一括処理できますか?

A. 保証期間が複数年度にわたる信用保証料は、前払費用や長期前払費用として期間配分する処理を検討します。金額、保証期間、適用する会計・税務ルールを税理士等へ確認してください。

Q. 返済予定表と帳簿残高が合わないときはどうしますか?

A. 元金と利息の分け方、振込手数料、返済日のずれ、繰上返済、借換え、決算時の短期・長期振替を確認します。差額を雑費で埋めず、返済予定表と通帳明細を照合してください。

Q. 個人事業主が個人口座から返済した場合はどう仕訳しますか?

A. 事業用借入金を個人資金で返済した場合は、事業主借を使う方法があります。私用借入れや家事分を事業帳簿へ混ぜず、借入目的と資金の流れを確認して処理します。

まとめ|返済額を元金・利息・手数料に分ける

事業資金を返済したときの勘定科目は、返済明細の内訳ごとに決めます。

  • 元金は短期借入金または長期借入金を減らす
  • 利息は支払利息、個人事業主の収支内訳書では利子割引料へ記載する
  • 振込・事務手数料は内容に応じて支払手数料等で処理する
  • 信用保証料は保証期間に応じた期間配分を検討する
  • 仕訳後は返済予定表、通帳、借入金元帳の残高を照合する
  • 元金は費用ではないが、資金繰り上は現金流出として管理する

正しい勘定科目を選ぶだけでなく、返済後の借入金残高が金融機関の予定表と一致していることが完了条件です。毎月の照合を定型化すると、決算時の残高差異を防ぎやすくなります。

借入返済が資金繰りを圧迫している場合は、必要時期、調達額、毎月の返済負担を整理し、自社に合う資金調達方法を比較してください。

参考資料

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この記事を書いた人

ファクマッチ編集責任者。ファクタリング会社の公式情報、口コミ、比較データをもとに、事業者が自分の状況に合う資金調達先を選べるよう、記事制作とサイト改善を行っています。

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