本ページはプロモーションが含まれています。掲載内容は、2026年7月時点の公正取引委員会の公表情報、当サイト調査をもとに作成しています。下請法改正後の取適法が自社の取引に当たるかどうかは、取引内容、資本金、従業員数、発注時期、契約書・発注書の内容によって変わります。最終判断は公式情報、専門家、相談窓口で確認してください。
「下請法改正で従業員数基準が追加されたらしい」「資本金だけ見ればよかったのでは?」と迷っている方は多いです。
2026年の下請法改正では、従来の資本金基準に加えて、従業員数基準も見る必要があります。資本金だけで対象外と決めつけないでください。
この記事では、下請法改正で追加された従業員数基準について、300人・100人の違い、資本金基準との関係、実務での確認順を整理します。
- 従業員数基準が追加された理由
- 300人基準と100人基準の違い
- 資本金基準との関係
- 対象判定で見る取引類型
- 発注側・受注側の確認リスト
結論:従業員数基準は「資本金だけでは拾えない取引」を見るための基準
下請法は、令和7年の改正により、令和8年1月1日から通称「取適法」として運用されます。公正取引委員会の取適法ページでは、法律名の変更と施行期日が案内されています。
従業員数基準は、従来の資本金基準に加えて確認するものです。公正取引委員会のリーフレットでは、従業員基準として300人、100人が追加され、規制および保護の対象が拡充されると説明されています。
| 見る基準 | 役割 |
|---|---|
| 資本金基準 | 従来からある規模判定 |
| 従業員数基準 | 改正で追加された規模判定 |
| 取引内容 | 製造、修理、情報成果物、役務、特定運送など |
| 発注時期 | 令和8年1月1日以降の取引か |
ポイントは、資本金基準と従業員数基準のどちらか一方だけで終わらせないことです。取引内容と会社規模をセットで見ます。
下請法改正全体の概要は、下請法改正2026で何が変わった?で整理しています。
従業員数基準は300人と100人に分かれる
取適法のリーフレットでは、対象取引を、取引の内容と資本金基準または従業員基準から定めると説明されています。従業員数は、取引類型によって主に300人基準と100人基準に分かれます。
| 取引類型の大きな区分 | 従業員数基準の目安 |
|---|---|
| 製造委託 | |
| 修理委託 | |
| 特定運送委託 | |
| 一部の情報成果物作成委託・役務提供委託 | 委託事業者が300人超、中小受託事業者が300人以下 |
| 上記以外の情報成果物作成委託・役務提供委託 | 委託事業者が100人超、中小受託事業者が100人以下 |
表にすると単純に見えますが、実務では「どの取引類型に当たるか」で迷いやすいです。たとえば、物品を作ってもらうのか、システムやデザインなどの成果物を作ってもらうのか、運送を委託しているのかで見る基準が変わります。
従業員数だけ先に見ても、対象判定はできません。まず取引内容を分類してから、資本金または従業員数を確認してください。
対象判定の入口は、下請法の対象かどうかをフローチャートで確認も参考になります。
資本金基準と従業員数基準はどちらも見る
改正後も、資本金基準がなくなるわけではありません。従来の資本金基準に、従業員数基準が追加されるイメージです。
そのため、対象判定では次のように考えます。
| 確認順 | 見ること |
|---|---|
| 1 | 取引類型が取適法の対象になり得るか |
| 2 | 委託事業者と中小受託事業者の資本金を確認する |
| 3 | 資本金だけで判断できない場合も従業員数を確認する |
| 4 | 300人基準か100人基準かを取引内容で分ける |
| 5 | 発注書・契約書・支払条件を確認する |
「資本金が小さいから対象外」「資本金だけ見れば十分」という判断は、改正後は危険です。従業員数も社内台帳で確認できる状態にしておきましょう。
特に、持株会社、グループ会社、資本金が小さいが従業員数の多い会社、事業部単位で発注している会社では、現場が資本金だけで判断してしまうと見落としが起きやすくなります。
300人基準で見る取引
300人基準は、製造委託、修理委託、特定運送委託、一部の情報成果物作成委託・役務提供委託などで確認します。公正取引委員会のポイントリーフレットでも、発注者が300人超、受注者が300人以下の例が示されています。
たとえば、次のような取引では、300人基準を意識して確認します。
| 取引例 | 見方 |
|---|---|
| 部品や資材の製造を依頼する | 製造委託として確認 |
| 機械や設備の修理を依頼する | 修理委託として確認 |
| 製品や資材の運送を依頼する | 特定運送委託として確認 |
| プログラム作成を依頼する | 一部の情報成果物として確認 |
300人基準は、製造・修理・運送など、現場で外注が多い会社ほど見落としやすい基準です。購買部門だけでなく、現場発注の取引も確認してください。
建設業での影響は、下請法改正は建設業に関係ある?でも整理しています。
100人基準で見る取引
100人基準は、上記以外の情報成果物作成委託や役務提供委託で確認します。Web制作、デザイン、原稿作成、動画制作、コンサルティング、保守運用など、形のない成果物やサービスに近い取引では、100人基準を確認する場面があります。
| 取引例 | 見方 |
|---|---|
| デザイン制作 | 情報成果物作成委託として確認 |
| 原稿・動画・画像制作 | 情報成果物作成委託として確認 |
| 業務支援・運用代行 | 役務提供委託として確認 |
| システム保守の一部 | 取引内容を分解して確認 |
100人基準の取引は、契約書のタイトルだけでは判定しづらいことがあります。「業務委託契約」「制作委託契約」「保守契約」のような名前でも、実際の中身を見てください。
契約名ではなく、相手に何を作らせるのか、何の役務を提供してもらうのかで判断します。
従業員数はどの時点で確認するか
実務では、従業員数をいつ、どの資料で確認するかも決めておく必要があります。取引先に毎回詳細な社内情報を求めるのが難しい場合でも、取引開始時、基本契約更新時、発注書発行前などのタイミングで確認フローを作っておくと運用しやすくなります。
| タイミング | 確認すること |
|---|---|
| 新規取引開始時 | 資本金、従業員数、取引内容 |
| 基本契約更新時 | 会社規模の変更がないか |
| 大口発注前 | 発注内容と支払条件 |
| 取引先情報更新時 | 会社概要・登記・公開情報 |
従業員数は変動する情報です。古い取引先マスタのまま判断しないよう、更新日を残すことが大切です。
発注側は、購買システムや取引先マスタに、資本金だけでなく従業員数の確認欄を追加することも検討してください。受注側は、相手に聞かれたときに説明できるよう、自社の会社概要や従業員数の公表情報を整理しておきましょう。
従業員数基準で対象になったら支払条件も確認する
従業員数基準で取適法の対象になり得ると分かったら、次は支払条件を確認します。対象になるかどうかを確認するだけで終わらせず、発注書、支払期日、支払方法、振込手数料、価格協議の運用まで見てください。
公正取引委員会のリーフレットでは、発注内容等を明示する義務、取引記録を2年間保存する義務、受領日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定める義務、支払遅延等の遅延利息が年率14.6%であることなどが示されています。
| 確認する支払条件 | 見るポイント |
|---|---|
| 支払期日 | 受領日から60日以内か |
| 支払方法 | 手形払等が残っていないか |
| 振込手数料 | 受注側へ一方的に負担させていないか |
| 価格協議 | 協議依頼を放置していないか |
| 記録保存 | 発注内容と支払条件を記録しているか |
従業員数基準に該当する可能性がある取引は、対象判定だけでなく支払条件まで同時に見直してください。
支払期日の基本は支払いサイト60日と取適法の解説、振込手数料は下請法の振込手数料は誰が負担する?で整理しています。
発注側が見直すこと
発注側は、従業員数基準を社内の対象判定フローに入れる必要があります。法務部門だけが知っていても、購買、経理、現場発注の担当者が資本金だけで判断していると、運用上の漏れが出ます。
- 取引先マスタに従業員数欄を追加する
- 取引類型ごとに300人・100人基準を分ける
- 資本金だけで対象外にしない運用へ変える
- 発注書に支払期日・支払方法を明示する
- 支払サイト、手形払等、振込手数料を見直す
- 価格協議の受付窓口と記録方法を決める
従業員数基準は、取引先管理と発注実務の両方に関わります。法務だけでなく、購買・経理・現場発注の運用まで更新してください。
受注側が確認すること
受注側は、自社が中小受託事業者に当たり得るか、相手の会社規模や取引内容から取適法の対象になり得るかを確認します。対象になりそうな場合は、支払期日、支払方法、振込手数料、価格協議の窓口を確認しましょう。
| 受注側の確認項目 | 質問例 |
|---|---|
| 相手の規模 | 資本金や従業員数の基準に当たりそうか |
| 取引内容 | 製造、修理、情報成果物、役務、運送のどれか |
| 支払期日 | 受領日から何日後に入金されるか |
| 支払方法 | 現金振込か、でんさい等か |
| 協議窓口 | 単価改定の相談先はどこか |
受注側で資金繰りが厳しい場合は、支払いサイト短縮、着手金、中間金、分割請求などを相談します。支払いサイト短縮の伝え方は支払いサイト短縮交渉の進め方も参考になります。
売掛金があり、入金前の資金が必要な場合は、ファクタリングサービス比較や資金調達診断で選択肢を確認できます。
従業員数基準でよくある誤解
従業員数基準は新しい論点なので、次のような誤解が起きやすいです。
| 誤解 | 正しい見方 |
|---|---|
| 資本金だけ見ればよい | 従業員数も確認する |
| 300人だけ覚えればよい | 取引類型により100人基準もある |
| 従業員数だけで対象判定できる | 取引内容と会社規模をセットで見る |
| 受注側だけが確認すればよい | 発注側の判定フロー整備が重要 |
| 対象なら支払条件は後でよい | 対象判定と支払条件を同時に見直す |
従業員数基準は、暗記する数字ではなく、取引先管理と支払条件を見直すための入口です。
下請法改正の従業員数基準に関するFAQ
Q: 下請法改正で従業員数基準は追加されましたか? A: はい。公正取引委員会のリーフレットでは、従来の資本金基準に加え、従業員基準として300人、100人が追加され、規制および保護の対象が拡充されると説明されています。
Q: 従業員数基準は300人だけですか? A: いいえ。取引類型によって、主に300人基準と100人基準があります。製造委託、修理委託、特定運送委託などでは300人基準、一定の情報成果物作成委託や役務提供委託では100人基準を確認する場面があります。
Q: 資本金基準と従業員数基準はどちらを優先しますか? A: どちらか一方だけを見るのではなく、取引内容、資本金、従業員数をセットで確認します。改正後も資本金基準は残り、そこに従業員数基準が追加される整理です。
Q: 従業員数はいつ確認すればよいですか? A: 新規取引開始時、基本契約更新時、大口発注前、取引先情報の更新時などに確認する運用が現実的です。従業員数は変動するため、確認日を残しておくとよいでしょう。
Q: 従業員数基準に当たりそうなら何を見直すべきですか? A: 発注書、支払期日、支払方法、振込手数料、価格協議の窓口、記録保存を確認してください。対象判定だけで終わらせず、支払条件まで見直すことが重要です。
Q: 受注側は従業員数基準をどう使えばよいですか? A: 自社が中小受託事業者に当たり得るか、相手の規模や取引内容から取適法の対象になり得るかを確認し、支払期日や価格協議について必要な確認・相談を行います。
下請法改正の従業員数基準は、資本金だけでは拾いきれない取引を確認するための重要な基準です。300人基準と100人基準は、取引類型によって使い分ける必要があります。
発注側は、取引先マスタ、発注フロー、支払条件を更新してください。受注側は、相手の規模、取引内容、支払期日、手取り額を確認し、必要に応じて支払いサイト短縮や価格協議を進めましょう。
出典・参考
- 公正取引委員会「取適法」 https://www.jftc.go.jp/toriteki/index.html
- 公正取引委員会「取適法の概要」 https://www.jftc.go.jp/toriteki/toritekigaiyo/gaiyo.html
- 公正取引委員会「取適法リーフレット」 https://www.jftc.go.jp/file/toriteki_leaflet.pdf
- 公正取引委員会「取適法ポイントリーフレット」 https://www.jftc.go.jp/file/toriteki_pointleaflet_v2.pdf
