本ページはプロモーションが含まれています。掲載内容は、2026年7月時点の公正取引委員会の公表情報、当サイト調査をもとに作成しています。下請法改正後の取適法が自社の取引に当たるか、翌月末払い・翌々月末払いが問題になるかは、受領日、支払期日、検収条件、請求書の扱い、取引内容によって変わります。最終判断は公式情報、専門家、相談窓口で確認してください。
「下請法で翌月末払いは大丈夫なのか」「翌々月末払いは60日以内に収まるのか」「請求書が遅れたら支払いを後ろ倒しできるのか」と迷う場面は多いです。
下請法・取適法では、支払期日は受領日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で定める必要があります。翌月末払いは収まることが多い一方、翌々月末払いは受領日によって60日を超えやすく注意が必要です。
この記事では、下請法・取適法における翌月末払い・翌々月末払いの考え方、月末締めの計算例、請求書遅れ・検収後払いの注意点を整理します。
- 下請法・取適法で翌月末払いが問題になるか
- 翌々月末払いが60日を超えやすい理由
- 受領日から60日以内の考え方
- 請求書遅れ・検収後払いで注意すること
- 発注側・受注側の確認ポイント
結論:翌月末払いは収まりやすいが、翌々月末払いは危険
下請法は、令和7年の改正により、令和8年1月1日から通称「取適法」として運用されます。公正取引委員会の取適法リーフレットでは、支払期日を定める義務として、検査をするかどうかを問わず、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定めることが示されています。
このルールから見ると、月末締め翌月末払いは、多くのケースで60日以内に収まりやすい支払条件です。一方、月末締め翌々月末払いは、受領日によって60日を超えやすく、下請法・取適法上の支払遅延リスクが高くなります。
| 支払条件 | 60日ルールとの関係 |
|---|---|
| 月末締め翌月末払い | 受領日によっては60日以内に収まりやすい |
| 月末締め翌々月末払い | 受領日によって60日を超えやすい |
| 検収後翌月末払い | 検収を理由に起算日を後ろ倒ししないよう注意 |
| 請求書到着後払い | 請求書到着日だけで支払期日を決めるのは危険 |
ポイントは、締め日ではなく受領日から数えることです。社内の経理処理では月末締めでも、取適法上は受領日から60日以内かを確認する必要があります。
支払期日の基本は、支払いサイト60日と取適法の解説でも整理しています。
翌月末払いを計算する例
翌月末払いが常に安全というわけではありませんが、月末締め翌月末払いは、受領日から翌月末までの日数が60日以内に収まりやすい条件です。
たとえば、4月1日に受領した場合、翌月末の5月31日までは60日です。4月15日に受領した場合、5月31日までは46日です。4月30日に受領した場合、5月31日までは31日です。
| 受領日 | 支払日 | 日数の目安 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 4月1日 | 5月31日 | 60日 | ぎりぎり収まる |
| 4月15日 | 5月31日 | 46日 | 収まりやすい |
| 4月30日 | 5月31日 | 31日 | 収まりやすい |
翌月末払いでも、受領日から60日以内かを毎回確認することが大切です。月末締めという社内ルールだけで判断しないでください。
発注側は、発注書面や取引基本契約書に「月末締め翌月末払い」と書いて終わりにせず、受領日が月初になった場合でも60日以内に収まるかを確認しましょう。
翌々月末払いが危ない理由
翌々月末払いは、受領日から支払日までの期間が長くなりやすく、60日ルールに抵触しやすい条件です。特に月初に受領した取引では、翌々月末まで待つと90日前後になることがあります。
たとえば、4月1日に受領して6月30日に支払う場合、約90日後の支払いになります。4月15日に受領して6月30日に支払う場合でも、約76日です。これでは、受領日から60日以内という考え方に収まりにくくなります。
| 受領日 | 支払日 | 日数の目安 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 4月1日 | 6月30日 | 約90日 | 60日超過リスクが高い |
| 4月15日 | 6月30日 | 約76日 | 60日超過リスクが高い |
| 4月30日 | 6月30日 | 約61日 | 月によっては超過し得る |
翌々月末払いは、支払サイトが長い取引条件として見直し対象になりやすいです。発注側は「昔からこの条件だから」と続けるのではなく、受領日から60日以内の支払期日になっているかを確認してください。
支払条件を見直す場合は、支払いサイト短縮交渉の進め方も参考になります。
請求書が遅れた場合でも支払期日は後ろ倒ししにくい
実務では、「請求書が届いていないから支払えない」「請求書到着後の翌月末払いにしている」という運用があります。しかし、下請法・取適法では、支払期日の考え方は請求書到着日だけで決まりません。
公正取引委員会の取適法リーフレットでは、検査をするかどうかを問わず、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定めることが示されています。
つまり、請求書が遅れた場合でも、受領日から60日以内の支払期日を無視してよいわけではありません。
| よくある運用 | 注意点 |
|---|---|
| 請求書到着後に支払期日を決める | 受領日から60日以内か確認 |
| 請求書がないので翌月へ回す | 支払遅延にならないか確認 |
| 請求書の不備で支払い停止 | 不備内容、連絡日、修正依頼を記録 |
請求書の遅れや不備がある場合でも、発注側は受領日、支払期日、連絡経緯を残しておく必要があります。
請求書まわりで迷う場合も、まずは注文書、受領日、支払期日、請求書、入金明細を並べて、支払いが60日以内に収まっているかを確認してください。
検収後払い・検査後払いで注意すること
検収後払い、検査後払いといった条件も、支払期日を後ろ倒しする理由として使われやすいです。しかし、取適法リーフレットでは、検査をするかどうかを問わず、受領日から60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定めるとされています。
そのため、検収が遅れたからといって、支払期日を無制限に後ろ倒しできるわけではありません。
発注側は、次の点を確認してください。検収条件よりも前に、受領日と支払期日を並べて見ることが重要です。
- 受領日を記録しているか
- 検収日と受領日を混同していないか
- 検収遅れを理由に支払期日が60日を超えていないか
- 不備がある場合、受注側へ具体的に連絡しているか
- 検収条件を注文書や契約書に残しているか
検収は品質確認のための手続きであり、支払いを長く延ばすための仕組みではありません。検収との関係は、下請法の検収は7日以内?でも整理しています。
発注側のチェックリスト
発注側は、翌月末払い・翌々月末払いを社内規程だけで判断せず、取適法上の受領日から60日以内という考え方に照らして確認してください。
- 支払条件を「受領日から60日以内」で確認している
- 翌々月末払いを標準条件にしていない
- 請求書到着日だけで支払期日を後ろ倒ししていない
- 検収遅れを理由に支払いを延ばしていない
- 支払遅延がある場合、遅延利息14.6%を確認している
特に、購買部門が契約条件を決め、経理部門が支払処理を行い、現場部門が受領・検収を行う会社では、部門間で起算日の認識がずれやすくなります。
下請法・取適法の義務全体は、下請法の義務とは?で確認できます。
受注側が確認すべきポイント
受注側は、支払条件が翌月末払い・翌々月末払いになっている場合、実際の受領日から支払日までの日数を確認してください。請求書に書かれた支払予定日だけでなく、納品日、受領日、検収日、入金日を並べると見えやすくなります。
| 資料 | 確認すること |
|---|---|
| 注文書・契約書 | 支払条件、締め日、支払日 |
| 納品書・受領記録 | 受領日 |
| 検収記録 | 検収日、検収遅れの有無 |
| 請求書 | 請求日、請求額、支払予定日 |
| 入金明細 | 入金日、入金額 |
| メール・チャット | 請求書不備、検収、支払延期の連絡 |
入金が遅れて資金繰りに影響が出ている場合は、取引上の相談と資金繰り対策を並行して進めることが大切です。
相談先は下請法の相談窓口はどこ?で確認できます。入金待ちで資金が必要な場合は、ファクタリングサービスおすすめ100選や資金調達診断も比較してください。
翌月末払い・翌々月末払いでよくある誤解
翌月末払い・翌々月末払いは、経理実務ではよく見る条件です。ただし、下請法・取適法では次の誤解に注意してください。
| 誤解 | 正しい見方 |
|---|---|
| 翌月末払いなら必ず安全 | 受領日から60日以内か確認する |
| 翌々月末払いも普通の条件だから問題ない | 受領日によって60日を超えやすい |
| 請求書が遅れたら支払いも遅らせてよい | 受領日からの支払期日を確認する |
| 検収が終わるまで支払期日は始まらない | 検査の有無を問わず受領日から見る |
| 締め日基準で考えればよい | 取適法では受領日からの期間が重要 |
翌月末払い・翌々月末払いを判断するときは、「締め日」ではなく「受領日から支払日までの日数」を見るのが基本です。
罰則や遅延利息の考え方は、下請法の罰則とは?も参考にしてください。
出典・参考
- 公正取引委員会「取適法」
- 公正取引委員会「取適法リーフレット」
- 公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」
下請法の翌月末払い・翌々月末払いに関するFAQ
Q: 下請法で翌月末払いは問題ありませんか? A: 月末締め翌月末払いは、受領日から60日以内に収まりやすい条件です。ただし、常に安全と決めつけず、受領日から支払日までの日数を確認してください。
Q: 下請法で翌々月末払いは問題になりますか? A: 翌々月末払いは、受領日によって60日を超えやすいため注意が必要です。特に月初に受領した取引では、翌々月末まで待つと90日前後になることがあります。
Q: 支払期日は請求書が届いた日から数えますか? A: 請求書到着日だけで判断するのは危険です。取適法では、検査をするかどうかを問わず、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定める必要があります。
Q: 検収後払いなら60日を超えてもよいですか? A: 検収後払いでも、受領日から60日以内の支払期日を確認する必要があります。検収遅れを理由に支払期日を無制限に後ろ倒しするのは危険です。
Q: 60日を超えた場合はどうなりますか? A: 支払遅延として問題になる可能性があります。支払遅延や減額等を行った場合、遅延した日数や減じた額に応じて年率14.6%の遅延利息を支払う義務も問題になります。
Q: 受注側は何を確認すればよいですか? A: 注文書、納品書、受領記録、検収記録、請求書、入金明細、メールを確認し、受領日から支払日までの日数を整理してください。入金遅れがある場合は相談窓口や専門家に確認しましょう。
まとめ
下請法・取適法では、支払期日は受領日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で定める必要があります。月末締め翌月末払いは収まりやすい一方、翌々月末払いは受領日によって60日を超えやすく注意が必要です。
発注側は、締め日や請求書到着日だけでなく、受領日から支払日までの日数を確認してください。受注側は、納品日、受領日、検収日、請求日、入金日を整理し、支払遅延が疑われる場合は早めに相談できる状態を作りましょう。
