売掛金ファクタリングとは|仕組み・資金化の流れと注意点

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売掛金ファクタリングとは、取引先からの入金を待っている売掛金を、ファクタリング会社へ売却して資金化する方法です。

売掛金は、商品やサービスを提供したあと、後日受け取る予定のお金です。請求書を発行していても、入金が30日後、60日後、90日後なら、その間の仕入・外注費・給与・税金は自社で立て替えなければなりません。

そこで使われるのが、売掛金を入金日前に現金化するファクタリングです。銀行融資のように借入を増やすのではなく、すでに発生している売掛債権を売却して、早めに現金へ変えるイメージです。

ただし、売掛金ファクタリングは便利な一方で、手数料がかかります。契約内容によっては、実質的に貸付に近い負担になる場合もあります。

この記事では、売掛金ファクタリングの仕組み、2者間・3者間の違い、必要書類、手数料の見方、注意点を整理します。売掛金を現金化する他の手段まで比較したい方は、先に売掛金を現金化する7手段も確認してください。

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目次

売掛金ファクタリングとは

売掛金ファクタリングを理解するには、まず売掛金と売掛債権の意味を分けておくとわかりやすくなります。

売掛金・売掛債権とは

売掛金とは、商品やサービスを提供したあと、まだ入金されていない代金のことです。

たとえば、6月末に請求書を発行し、取引先からの入金が7月末なら、6月末から7月末までの間は売掛金として残ります。会計上は売上が立っていても、現金はまだ入っていません。

売掛債権とは、その売掛金を受け取る権利のことです。ファクタリングでは、この売掛債権をファクタリング会社に売却します。

つまり、売掛金ファクタリングは「将来入ってくる予定のお金を、手数料を払って前倒しで受け取る方法」と考えると理解しやすいです。

ファクタリングは売掛金の売却による資金化

ファクタリングは、売掛金を担保に借りる方法ではありません。基本は、売掛債権の売買です。

自社が持っている売掛債権をファクタリング会社に売却し、売却代金から手数料を差し引いた金額を受け取ります。後日、売掛先から入金されたお金を、契約方式に応じてファクタリング会社へ支払います。

借入ではなく売却なので、銀行融資とは審査で見られるポイントが違います。銀行融資では自社の返済能力が中心ですが、ファクタリングでは売掛先の信用力、請求書の実在性、入金予定の確かさが重視されます。

請求書買取・売掛金現金化との違い

請求書買取、売掛金現金化、売掛債権の早期資金化は、実務上はファクタリングと近い意味で使われることがあります。

ただし、言葉の範囲は少し違います。

呼び方主な意味補足
売掛金ファクタリング売掛債権を売却して資金化する方法本記事の主題
請求書買取請求書を根拠に売掛金を買い取るサービスファクタリングの言い換えとして使われることが多い
売掛金現金化売掛金を早く現金にする広い表現ファクタリング、手形割引、ABLなども含み得る

本記事では、売掛金ファクタリングを「請求済み、または入金予定が明確な売掛金を売却して資金化する方法」として扱います。

売掛金ファクタリングの仕組み

売掛金ファクタリングには、大きく2者間と3者間があります。

2者間ファクタリング

2者間ファクタリングは、自社とファクタリング会社の2者で契約する方式です。

取引先に通知せずに利用できるケースが多く、入金スピードも早い傾向があります。最短即日で資金化できる会社もあります。

一方で、ファクタリング会社から見ると回収リスクが高くなるため、3者間より手数料は高くなりやすいです。

項目2者間ファクタリング
契約当事者自社・ファクタリング会社
取引先への通知原則不要のケースが多い
入金スピード最短即日〜数日
手数料高めになりやすい
向いているケース取引先に知られず急ぎで資金化したい

3者間ファクタリング

3者間ファクタリングは、自社、ファクタリング会社、取引先の3者で契約する方式です。

取引先がファクタリング会社へ直接支払うため、ファクタリング会社の回収リスクが下がります。その分、手数料は2者間より低くなりやすいです。

ただし、取引先の承諾が必要です。資金繰りに不安があると見られたくない場合や、取引先との関係を慎重に扱いたい場合は注意が必要です。

項目3者間ファクタリング
契約当事者自社・ファクタリング会社・取引先
取引先への通知必要
入金スピード数日〜1週間程度
手数料低めになりやすい
向いているケース取引先の承諾が取れ、手数料を抑えたい

借入・ビジネスローンとの違い

売掛金ファクタリングと借入の違いは、返済義務の有無です。

銀行融資やビジネスローンは、借りたお金を将来返済します。利息も発生します。審査では、自社の返済能力、決算内容、信用情報、事業計画などを見られます。

一方、ファクタリングは売掛金の売却です。売却した売掛金が入金されるまでの時間を前倒しする方法なので、借入金として決算書に載らない点が特徴です。

ただし、償還請求権や買戻し義務が重い契約は、実質的に貸付に近い負担になるおそれがあります。契約前に必ず確認してください。

売掛金ファクタリングに使える売掛金

すべての売掛金がファクタリングに使えるわけではありません。

請求済みの売掛金

最も使いやすいのは、すでに請求書を発行済みで、入金予定日が決まっている売掛金です。

請求書、取引先との契約書、納品書、入金履歴、通帳コピーなどで、売掛金の実在性を確認しやすいためです。

特に、継続取引のある売掛先、大手企業や官公庁に対する売掛金は、審査で見られやすい材料になります。

継続取引の売掛金

単発取引よりも、継続取引の売掛金の方が審査では説明しやすくなります。

過去にも同じ取引先から入金されている履歴があれば、「今回の請求も実在する」と判断しやすいためです。

ファクタリング会社が見たいのは、売掛金が本当に存在し、期日に回収できる可能性が高いかどうかです。

使いにくい売掛金

次のような売掛金は、ファクタリングで使いにくい場合があります。

  • 請求書が未発行
  • 取引の実態を示す書類が少ない
  • 売掛先の入金遅れが続いている
  • 売掛先が個人である
  • 二重譲渡禁止や債権譲渡禁止の扱いが契約上問題になる
  • すでに別の資金調達に使っている売掛金

不安がある場合は、申込み前に「この請求書で対象になるか」を確認するのが安全です。

手数料と入金額の見方

売掛金ファクタリングでは、手数料率だけでなく、実際にいくら入金されるかを見る必要があります。

2者間と3者間の手数料差

一般に、2者間ファクタリングは手数料が高く、3者間ファクタリングは手数料が低くなりやすいです。

理由は、回収リスクの違いです。2者間では、売掛先から自社に入金されたあと、自社がファクタリング会社へ支払います。3者間では、売掛先がファクタリング会社へ直接支払います。

手数料だけを見るなら3者間が有利ですが、取引先の承諾が必要です。スピードや取引先への影響も含めて判断してください。

手取り額の計算例

たとえば、300万円の売掛金をファクタリングで資金化する場合を考えます。

手数料率手数料入金額
5%15万円285万円
10%30万円270万円
15%45万円255万円

同じ300万円の売掛金でも、手数料率が5%違うだけで、手取り額は15万円変わります。

比較するときは、手数料率ではなく「最終的に自社口座へいくら入るか」で見てください。

見積書で確認する項目

見積書では、次の項目を確認します。

  • 買取対象の売掛金額
  • 手数料率
  • 振込額
  • 事務手数料や登記費用の有無
  • 入金予定日
  • 契約方式
  • 償還請求権や買戻し義務の有無

「手数料1%〜」のような下限だけで判断しないでください。実際の見積もりでは、売掛先の信用力、売掛金額、入金日までの日数、初回利用かどうかで条件が変わります。

必要書類と申込みの流れ

売掛金ファクタリングの必要書類は、会社によって異なります。ただし、基本的に確認されるものは共通しています。

基本書類

よく求められる書類は次の通りです。

  • 請求書
  • 通帳コピー
  • 本人確認書類
  • 決算書または確定申告書
  • 取引先との契約書
  • 納品書や発注書
  • 商業登記簿謄本

個人事業主の場合は、確定申告書、本人確認書類、入出金が確認できる通帳コピーが重要になります。

審査で見られる点

審査では、自社の信用情報だけでなく、売掛先と売掛金の確かさが見られます。

主に見られるのは次の点です。

  • 売掛先が実在しているか
  • 請求書の内容が取引実態と合っているか
  • 過去に入金履歴があるか
  • 入金予定日が明確か
  • 売掛金が二重に使われていないか
  • 必要書類が揃っているか

赤字や税金滞納がある場合でも、売掛先の信用力と売掛金の実在性が強ければ相談できる会社はあります。ただし、誰でも通るわけではありません。

入金までの流れ

一般的な流れは次の通りです。

  1. 申込み
  2. 請求書や通帳コピーを提出
  3. 売掛金と売掛先の審査
  4. 見積もり提示
  5. 契約
  6. 入金
  7. 売掛金の回収・精算

急ぎの場合は、午前中に書類を揃えて申し込む方が有利です。本人確認や契約締結が夕方以降になると、当日入金に間に合わないことがあります。

売掛金ファクタリングのメリット

売掛金ファクタリングのメリットは、スピードと借入ではない点です。

最短即日で資金化できる

売掛金ファクタリングは、必要書類が揃っていれば最短即日で資金化できる場合があります。

銀行融資は、申込みから入金まで数週間かかることがあります。支払い期日が迫っている場合、融資の審査を待っている間に支払いが間に合わないこともあります。

その点、売掛金ファクタリングは、入金待ちの売掛金が明確にあれば、短期の資金繰りに使いやすい方法です。

借入ではない

ファクタリングは売掛金の売却なので、原則として借入ではありません。

借入枠を使いたくない、銀行融資の審査を待てない、信用情報への影響を避けたい場合に検討されます。

ただし、契約内容によっては実質的に貸付と見られるリスクもあります。契約書面を確認し、償還請求権や買戻し義務がないかを見てください。

取引先に知られず使える場合がある

2者間ファクタリングなら、取引先に通知せず利用できるケースがあります。

取引先に資金繰りを知られたくない場合は、2者間を検討する理由になります。

ただし、契約内容、債権譲渡登記の有無、入金後の精算方法は会社によって違います。取引先への影響を避けたい場合ほど、事前確認が重要です。

注意点と使わない方がいいケース

売掛金ファクタリングは万能ではありません。

手数料が利益を削る

ファクタリング手数料は、売掛金額から差し引かれます。

営業利益率が10%の事業で、手数料10%のファクタリングを繰り返すと、利益がほとんど残りません。

一時的な入金待ちを埋める使い方なら有効ですが、毎月のように使わないと資金が回らない場合は、固定費、粗利、支払いサイト、借入返済の見直しが必要です。

償還請求権・買戻し義務に注意する

契約書に償還請求権や買戻し義務がある場合は注意してください。

償還請求権とは、売掛先が支払わなかった場合に、自社が弁済を求められる仕組みです。買戻し義務も同じように、売掛金が回収できなかったときの負担が自社に戻る可能性があります。

リコース型が直ちに違法という意味ではありません。ただし、売掛金を売却したはずなのに回収不能リスクを自社が負う契約は、実質的に貸付へ近づくおそれがあります。

金融庁も、ファクタリングを装った高金利貸付への注意を呼びかけています。契約前に、手数料だけでなく契約書のリスク負担を確認してください。

給与ファクタリングとは別物

売掛金ファクタリングと給与ファクタリングは別物です。

本記事で扱う売掛金ファクタリングは、事業者が取引先に対して持つ売掛債権を資金化する方法です。

一方、給与ファクタリングは個人の給与を対象にした取引で、金融庁は貸金業に該当する可能性があると注意喚起しています。会社員の生活費目的で給与ファクタリングを使うことは避けてください。

会社を選ぶ時の確認ポイント

売掛金ファクタリングを使うなら、会社選びも重要です。

即日対応できるか

急ぎの場合は、即日対応できる会社を選びます。

ただし、即日対応と書いていても、書類提出の時間、審査完了の時間、契約方法によって当日入金に間に合わないことがあります。

急ぎの方は、即日入金のファクタリングランキングから候補を確認してください。

手数料の内訳が明確か

手数料が安く見えても、事務手数料、登記費用、振込手数料などが別でかかる場合があります。

必ず、入金額ベースで比較してください。複数社で見積もりを取ると、同じ請求書でも条件が大きく違うことがあります。

手数料を詳しく見たい方は、ファクタリング手数料が安い会社20選も確認してください。

個人事業主・少額に対応しているか

個人事業主やフリーランスの場合、法人のみ対応の会社では利用できません。

少額の売掛金を資金化したい場合も、最低買取額や手数料の下限を確認してください。

ファクマッチでは、会社比較ページ無料診断から条件に合う会社を探せます。

口コミ・運営会社・契約書を確認する

契約前に、運営会社の所在地、代表者、問い合わせ先、契約書面、口コミを確認します。

「審査なし」「誰でも通る」「手数料だけ先払い」といった表現がある場合は注意してください。

売掛金ファクタリングは、会社選びより前に、契約書と入金額を確認することが大切です。

よくある質問

売掛金ファクタリングは違法ですか?

通常の売掛債権の売買として行われるファクタリング自体が違法というわけではありません。ただし、ファクタリングを装った貸付や、償還請求権・買戻し義務が重い契約には注意が必要です。

売掛金ファクタリングは借入ですか?

原則として借入ではなく、売掛金の売却です。ただし、契約内容によっては実質的に貸付へ近づく場合があります。契約書の償還請求権、買戻し義務、手数料の内訳を確認してください。

個人事業主でも売掛金ファクタリングは使えますか?

個人事業主でも、取引先への売掛金があり、請求書や入金履歴を示せる場合は相談できます。ただし、会社によっては法人のみ対応のところもあります。

売掛金ファクタリングは取引先に知られますか?

2者間ファクタリングなら取引先に通知せず利用できるケースがあります。3者間ファクタリングでは取引先の承諾が必要です。契約方式によって違うため、事前に確認してください。

売掛金ファクタリングの手数料はどれくらいですか?

手数料は、契約方式、売掛金額、売掛先の信用力、入金日までの日数、初回利用かどうかで変わります。下限表示だけで判断せず、見積書で最終入金額を確認してください。

まとめ

売掛金ファクタリングとは、入金待ちの売掛金を売却して、入金日前に資金化する方法です。

銀行融資とは違い、借入ではなく売掛債権の売却として扱われます。売掛先の信用力や請求書の実在性が重視されるため、赤字や税金滞納がある場合でも相談できるケースはあります。

一方で、手数料は利益を削ります。継続利用が前提になるほど資金繰りが苦しい場合は、ファクタリングだけでなく、支払い条件の見直し、銀行融資、固定費削減も並行して考える必要があります。

まずは自社の売掛金が「いつ入金されるのか」「いくら手元に必要なのか」「手数料を払っても利益が残るのか」を確認してください。そのうえで、即日対応・手数料・個人事業主対応・口コミを見ながら、複数社で比較するのが安全です。

参考・出典

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