本ページにはプロモーションが含まれています。融資、保証、ファクタリング等の利用可否と条件は、金融機関・事業者・案件により異なります。契約・税務・法務の個別判断は、金融機関、信用保証協会、税理士、弁護士等へ確認してください。
既存借入が多い会社でも、追加の事業資金を調達できる場合はあります。ただし、「まだ借りられるか」だけで判断すると、毎月返済が増え、数か月後に再び資金不足になるおそれがあります。
最初に確認するのは、借入残高の合計だけではありません。各借入の毎月返済額、完済予定、資金使途、担保・保証、今回必要な金額、追加調達後の返済原資を同じ表に並べます。
既存借入が多い時は、調達可能額より「追加後も毎月返せるか」を先に確認します。
この記事では、既存借入一覧の作り方、追加融資が合う状態、借換え・ABL・ファクタリング・資産売却等の選択肢、金融機関へ出す資料、借入を増やす前に相談すべき状態を解説します。
借入件数や残高だけで「もう無理」と決める必要はありません。一方、毎月の営業収支で既存返済を賄えていないなら、新しい借入先探しより返済条件と収益改善の相談が先です。
- 今回必要な金額と支払日
- 既存借入の残高と毎月返済額
- 各借入の完済予定
- 追加資金の具体的な使途
- 追加後の毎月返済額
- 返済原資となる売上・粗利・入金予定
既存借入が多くても事業資金を調達できる場合はある
借入が多い会社の資金調達は、一律に可能・不可能と決められません。金融機関や保証制度は、借入残高だけでなく、売上、利益、資金使途、毎月返済、担保・保証、事業の将来性等を個別に確認します。
たとえば、設備投資で借入残高が大きくても、その設備が利益を生み、月々の返済を続けられる会社と、赤字補填の短期借入を重ねて返済原資がない会社では状況が異なります。
見るべきなのは借入残高の大きさだけではなく、借入によって生まれる現金と毎月返済の釣り合いです。
借入残高と返済負担を分ける
借入残高は貸借対照表の時点情報です。資金繰りへ直接影響するのは、毎月・毎年いくら元金と利息を支払うかです。
同じ3,000万円の残高でも、返済期間、据置期間、金利、返済方式が違えば毎月負担は変わります。最初に借入残高ではなく、月次返済額と営業キャッシュフローの関係を確認してください。
追加融資と単なる返済穴埋めを分ける
追加資金が、受注済み案件の仕入、利益を生む設備、季節要因の運転資金等に使われるなら、事業の回収計画を説明できます。
一方、新しい借入の大半が既存借入の返済と恒常赤字に消える場合、借入残高と返済負担が増えるだけになるおそれがあります。その場合は、借換え、返済条件の相談、事業改善を組み合わせる必要があります。
銀行融資で確認されやすい項目は、銀行融資の審査に通らない理由も参考にしてください。本記事は否決理由ではなく、申込前に資金手段を選ぶ判断に絞ります。
最初に既存借入一覧を作る
借入が多い時ほど、記憶や月々の引落額だけで判断せず、金融機関別・契約別に一覧化します。
一覧へ入れる項目
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 借入先・商品 | 銀行、公庫、信用金庫、ビジネスローン等 |
| 当初借入額 | 契約時の金額 |
| 現在残高 | 基準日時点の元金残高 |
| 金利 | 固定・変動も確認 |
| 毎月返済額 | 元金と利息を分けられれば分ける |
| 返済日 | 資金繰り表へ反映する日 |
| 完済予定 | 残り期間 |
| 資金使途 | 運転・設備・借換え等 |
| 担保・保証 | 不動産、売掛債権、信用保証、代表者保証等 |
| 条件変更 | 据置・リスケ・延滞の有無 |
借入残高証明、返済予定表、金銭消費貸借契約書、通帳を照合します。借入先・残高・返済額・完済日・担保保証を最低限そろえてください。
代表者個人や関連会社の借入も確認する
法人融資の申込では、代表者保証、関連会社への貸付、代表者からの借入等を確認される場合があります。法人の借入一覧だけでなく、申込書で質問される範囲を正確に整理します。
法人と個人の支出が混ざっている場合は、役員貸付金・役員借入金の内容を顧問税理士と確認してください。
追加調達後の返済額を入れる
今回希望する金額について、想定金利と返済期間を置き、既存借入へ加えた毎月返済額を試算します。金融機関の正式条件が出る前は仮定値であることを明記します。
資金繰り表には、売上入金、仕入・外注費、給与、税・社会保険、既存返済、新規返済を入れます。追加後の返済額を入れた状態で月末残高が維持できるかが判断の出発点です。
J-Net21の資金調達手段の解説も、資金調達前に自社の資金繰りを確認し、資金使途に合わせて長期・短期を適正化する必要性を説明しています。
追加借入が合う状態と合わない状態
追加借入を相談しやすい状態
- 受注や売上入金が確認できる
- 必要額と使途が明確
- 調達によって利益や現金回収が増える
- 既存借入を含めても返済原資を示せる
- 月次試算表と資金繰り表を更新している
- 一時的な資金不足の原因を説明できる
たとえば受注済み案件の材料費を調達し、納品後の売上と粗利で返済する場合は、発注書、原価表、入金予定を示せます。
追加借入より改善相談が先の状態
- 既存返済を新しい借入で毎月穴埋めしている
- 営業赤字が続き、黒字化の計画がない
- 税金、社会保険、給与の支払いが遅れている
- 金融機関への返済遅延がある
- 正確な借入残高を把握していない
- 何にいくら必要か説明できない
資金不足を「一時的な入金ずれ」「成長投資」「構造的な赤字」に分けると、必要な手段が見えます。
構造的な赤字や返済過多なら、追加融資だけでなく収益力改善と返済条件の見直しを同時に進めます。中小企業庁の収益力改善支援は、収益力低下や借入増加のおそれがある中小企業を対象に、収支・資金繰り計画の作成を支援しています。
既存借入が多い会社の資金調達方法
資金調達は、借入を増やす方法だけではありません。資金不足の期間、使途、返済原資、保有資産に合わせて選びます。
既存の取引金融機関へ追加融資を相談する
既存行は、過去の返済、入出金、決算、事業内容を把握していることがあります。新規行だけを探す前に、必要日より早く既存行へ相談します。
提出資料は、借入一覧、直近決算書、最新試算表、資金繰り表、資金使途資料、受注・入金資料です。希望額の根拠と追加後の返済計画を説明してください。
日本政策金融公庫の中小企業向け融資手続きでも、会社案内、決算書、事業計画書等があると具体的な相談に対応しやすく、申込では決算書・税務申告書、試算表、設備資料等を求めると案内しています。
借換え・一本化で返済条件を整える
複数の短期借入を長期資金へ借り換える、返済日を整理する、毎月返済を調整することで資金繰りが改善する場合があります。
ただし、借換えは元本が減るとは限りません。返済期間が延びれば総利息が増える可能性があり、保証料、手数料、担保費用も確認が必要です。
借換え後の月次返済と総返済額を試算し、既存の取引金融機関へ追加融資と借換えの両案を相談してください。
当座貸越・短期継続融資を相談する
季節資金や入金までの短期運転資金なら、必要時に枠内で利用する当座貸越や、短期継続融資が合う場合があります。取扱いと審査は金融機関により異なります。
長期設備資金を短期借入で賄う、恒常運転資金を毎月返済の短期ローンで繰り返すなど、資金使途と期間のミスマッチを避けてください。
日本政策金融公庫・制度融資・信用保証を相談する
中小企業庁の資金繰り相談窓口は、よろず支援拠点、日本政策金融公庫、信用保証協会等を案内しています。
制度ごとに対象者、使途、保証枠、審査があります。既存借入が多いことだけで利用可否を自己判断せず、借入一覧と資金繰り表を持って相談します。
売掛債権・在庫・設備を活用する
売掛債権や在庫等を担保に融資を受けるABLは、保有資産を活用する方法です。借入であるため返済義務があり、担保範囲、評価、モニタリング、既存担保との重複を確認します。
売掛債権や在庫を活用できる制度・商品はありますが、評価方法や保証条件は金融機関と制度により異なります。個別制度の現在の利用条件は、金融機関と信用保証協会へ確認してください。
ABLと債権売却の違いは、売掛債権担保融資とはで整理しています。
ファクタリングで確定売掛金を早期資金化する
ファクタリングは、確定した売掛債権を支払期日前に売却して資金化する方法です。一般的な契約は借入ではありませんが、額面から手数料が差し引かれます。
借入を増やしたくない時でも、ファクタリングの手数料で次回の運転資金が減らないか確認します。
売掛先、請求書、入金期日が明確で、一時的な入金待ちを埋める目的なら比較対象になります。赤字補填のため毎月繰り返す状態では、売上入金の前倒しが常態化し、翌月以降の資金が薄くなるおそれがあります。
ファクタリングと融資の違いは、ファクタリングと銀行融資の比較で確認できます。また、契約名が債権譲渡でも買戻しや利用会社による弁済が前提で、実態が貸付と同様の取引には、金融庁が注意喚起しています。
遊休資産の売却・売掛金回収・支払条件の見直し
不要な設備、車両、在庫、有価証券等の売却、売掛金の回収促進、前受金、分割請求、仕入先との支払条件交渉で、借入せずに現金を確保できる場合があります。
売掛金の発生・回収予定を管理し、過剰在庫や仕入条件を見直すことも、資金繰り改善につながります。
借入前に資産と回収条件を見直すことで、必要額そのものを小さくできないか確認してください。
出資・資本性資金を検討する
成長投資や新規事業で回収まで長い場合、毎月返済を伴う借入より出資が合うことがあります。ただし、持分、議決権、経営関与、株主間契約、将来の出口等を確認する必要があります。
短期間の資金不足を出資だけで解決できるとは限りません。調達期間と経営権への影響を踏まえ、専門家と検討してください。
資金調達全体の一覧は、企業の資金調達方法で比較できます。
金融機関へ出す資料
既存借入一覧
借入先ごとの残高、返済額、完済予定、担保・保証、条件変更の有無を記載します。残高基準日をそろえ、返済予定表と一致させます。
直近決算書と最新試算表
決算から時間が経っている場合は、最新月までの試算表を用意します。売上、粗利、営業利益、現預金、売掛金、在庫、借入金の変化を説明できるようにします。
6〜12か月の資金繰り表
既存借入の返済と、新規資金の想定返済を両方入れます。楽観的な売上だけで作らず、確定受注、通常売上、保守的な入金見込みを分けます。
資金使途明細
仕入、外注、給与、税、設備、借換え等に分け、金額と支払日を示します。設備なら見積書、受注対応なら発注書・契約書・原価表を添付します。
改善計画と実績
売上増加だけでなく、粗利改善、固定費削減、在庫圧縮、回収サイト短縮等を月次で示します。取引金融機関へは、最新の試算表と資金繰り表を使って改善計画と実績を説明してください。
金融機関へは「必要額」だけでなく、必要になった原因、改善策、返済原資を同じ数字で示します。
追加借入より改善・相談を優先する状態
返済日を過ぎる可能性がある
返済が難しいと分かった時点で借入先へ相談してください。無断延滞後に新規借入先を探すより、現在の金融機関へ状況と資金繰りを共有することが先です。
ビジネスローンの返済が迫っている場合は、ビジネスローンが払えない時の初動も確認してください。
既にリスケ中である
リスケ中の追加融資は、条件変更に至った原因、改善実績、追加資金の必要性等を確認されます。本記事の一般的な追加資金とは状況が異なるため、条件変更中の金融機関と支援機関へ個別に相談してください。
営業赤字と借入返済が同時に続く
売上を上げても粗利が残らない、固定費を賄えない状態では、新規資金が既存支出に吸収されます。部門別・商品別の採算、固定費、在庫、価格設定を見直し、収益改善計画と金融支援を一体で相談します。
税金・社会保険・給与の遅れがある
支払先を増やしてその場をしのぐのではなく、税務署、年金事務所、従業員、金融機関、専門家へ早めに相談します。優先順位は個別事情と法的義務により異なるため、専門家へ確認してください。
延滞前の相談は、選べる対応を残すために重要です。 中小企業庁の相談窓口や中小企業活性化協議会等も利用し、金融支援と事業改善を並行します。
既存借入が多い時に避けたい行動
借入残高や他行借入を隠す
申込書の質問には正確に答えます。既存借入や条件変更を隠して申込むことは避けてください。 決算書、信用情報、通帳、返済予定等との不一致は信頼を損ないます。
短期間に複数社へ連続申込する
審査に落ちた理由を確認せず申込先だけを増やすと、資料の矛盾や申込履歴が増える可能性があります。資金使途、必要額、返済原資、借入一覧を整えてから相談します。
高金利・高手数料の資金で既存返済だけを続ける
一時的に返済できても、翌月以降の負担が増えます。金利だけでなく、毎月返済額、総返済額、手数料、保証料を比較してください。
審査なし・必ず通るという勧誘を信じる
正規の融資やファクタリングでは審査・確認があります。事前費用だけを請求する、契約書を渡さない、個人口座へ振り込ませる、買戻しや分割返済を当然とする業者には注意してください。
よくある質問
Q: 既存借入が多いと追加融資は受けられませんか?
A: 一律に受けられないとは限りません。借入残高、毎月返済、利益、資金使途、返済原資、担保・保証等を金融機関が個別に判断します。
Q: 借入が何件あると多いと判断されますか?
A: 一律の件数基準はありません。件数だけでなく、総残高、毎月返済、完済予定、借入条件、返済実績を確認します。
Q: 追加融資と借換えはどちらを先に検討すべきですか?
A: 新しい資金需要に利益と返済原資があるなら追加融資、既存返済の負担や期間のミスマッチが問題なら借換えを比較します。両方を組み合わせる場合もあります。
Q: ファクタリングなら既存借入が多くても使えますか?
A: ファクタリングは一般に売掛債権の売却で、融資とは審査の見方が異なります。ただし、売掛債権の実在性、売掛先、契約、手数料等の審査があり、利用を保証するものではありません。
Q: 既存借入の返済資金を新しい借入で作ってよいですか?
A: 一時的な借換えとして成立する場合はありますが、毎月の返済を別の借入で恒常的に穴埋めする状態は負担を増やします。金融機関や支援機関へ早めに相談してください。
Q: どこへ相談すればよいですか?
A: 取引金融機関、日本政策金融公庫、信用保証協会、よろず支援拠点、中小企業活性化協議会、顧問税理士等が候補です。借入一覧と資金繰り表を用意すると具体的に相談しやすくなります。
まとめ
既存借入が多い会社でも、追加の事業資金を調達できる場合はあります。ただし、借入可能額だけを追うのではなく、借入先別の残高、毎月返済、完済予定、資金使途、担保・保証を一覧化してください。
そのうえで、今回の資金不足を一時的な入金ずれ、成長投資、構造的赤字に分けます。追加融資、借換え、制度融資、ABL、ファクタリング、資産売却、回収条件の改善、出資から、期間と返済原資に合う方法を比較します。
新しい資金調達の目的は借入枠を増やすことではなく、事業を続けながら返済できる資金繰りへ戻すことです。
必要額、支払日、改善策、追加後の返済額を資金繰り表で確認し、延滞する前に金融機関や公的支援窓口へ相談しましょう。
