給与を支払う資金が足りないときの対処法|遅配前の資金確保

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本ページにはプロモーションが含まれています。資金調達の可否や条件は、事業状況、売掛先、契約内容、必要書類などによって変わります。労務・法令・税務に関する個別判断は、弁護士、社会保険労務士、税理士、労働基準監督署などへ相談してください。

給与を支払う資金が足りないと分かったら、支給日まで残り何営業日あるかを確認し、給与振込総額、振込データの締切、口座残高、確定入金を同じ表に並べます。

経営が苦しくても、従業員給与を自社判断で翌月へ回してよいわけではありません。給与は労働基準法24条の賃金支払原則に沿って、全額を毎月1回以上、一定期日に支払う必要があります。遅配を前提にするのではなく、売掛金回収、短期運転資金、会社資産の現金化などを同時に進めます。

この記事では、給与資金が足りない会社が今日行う確認、支払日までの資金確保、従業員への説明、ファクタリングが候補になる条件、未払賃金立替払制度との違いを解説します。

給与資金不足は、支給日ではなく、銀行の給与振込データ締切から逆算して対応を始めます。

小谷良太

月末残高だけを見ると、給与振込の締切に間に合わないことがあります。支給日、振込締切、売掛金入金日を日付単位で確認してください。

最初に確認する5項目
  • 従業員給与の振込総額と支給日
  • 銀行の給与振込データ受付期限
  • 今日の預金残高と支給日前の出金
  • 支給日前に確実に入る売掛金
  • 交渉や回収後も残る実際の不足額

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目次

給与を支払う資金が足りないと分かった時の初動

給与資金の不足が見えたら、原因会議より先に日付と金額を確定します。給与計算が終わっていない場合は、概算だけで判断せず、残業代、各種手当、控除、退職者分などを含めた振込総額を早急に確認してください。

支給日と給与振込の受付期限を確認する

就業規則、労働条件通知書、給与規程などで支給日を確認します。次に、利用している銀行や給与振込サービスの受付期限を確認してください。

給与振込は、支給日当日にインターネットバンキングへ入力すれば必ず間に合うとは限りません。総合振込との違い、データ送信期限、必要残高を引き落とす時刻、土日祝日の扱いは金融機関によって異なります。

確認項目確認先
給与支給日就業規則・労働条件通知書
振込データ締切取引銀行・給与振込サービス
必要残高の期限取引銀行
振込総額給与計算担当・税理士・社労士
支給日前の入金売掛金台帳・通帳・売掛先

銀行の期限に間に合わない場合は、別の振込方法が使えるかを取引銀行へ確認します。ただし、振込方法を変えても支給日と全額払いの義務がなくなるわけではありません。

支給日前の入出金を確定・未確定に分ける

支給日前に入るお金を、確定、確認中、未確定に分けます。

  • 確定:請求済みで入金日を確認できる売掛金
  • 確認中:検収や振込処理の確認が残る売掛金
  • 未確定:商談中、受注予定、未請求の売上

未確定の売上を給与原資に含めると、当日に不足する可能性があります。売掛先へ振込処理済みか確認できる場合もありますが、入金が口座へ反映されるまでは余裕を持って判断してください。

不足額を従業員別ではなく総額で確定する

給与総額から、支給日前に使える預金と確定入金を引き、不足額を出します。支払先への交渉で残せる資金がある場合も反映します。

計算は次の形です。

給与振込総額 − 支給日前に使える預金 − 確定入金 − 事前に確保できる資金 = 不足額

一部の従業員だけ先に支払うことを前提に不足額を小さく見せないでください。誰にいくら払うかではなく、まず全員分の賃金総額を満たす資金を確認します。

経営者だけで抱えず専門家へ連絡する

給与遅配の可能性がある段階で、顧問税理士、社会保険労務士、弁護士、取引銀行へ連絡します。給与計算、法的対応、資金調達を一人で同時に判断すると、重要な期限を落としやすくなります。

支給日の前に相談すれば資金確保と説明準備を並行できますが、支給日を過ぎると未払い対応が中心になります。

給与の支払いを遅らせてもよいか

経営不振だからといって、会社が一方的に給与支給日を変更できるわけではありません。

労働基準法24条の賃金支払5原則

厚生労働省は、労働基準法24条に基づく賃金支払の原則として、次の5つを案内しています。

  1. 通貨で支払う
  2. 労働者本人へ直接支払う
  3. 全額を支払う
  4. 毎月1回以上支払う
  5. 一定の期日を定めて支払う

給与資金が不足しても、会社の商品で代用する、翌月分とまとめる、一部だけを払って通常対応とする、といった方法を自社判断で選べるわけではありません。

従業員の同意があっても慎重な判断が必要

従業員が「今月は待つ」と言った場合でも、賃金支払の原則や会社の支払義務を軽視できません。立場の弱い従業員が断れずに同意する可能性もあります。

支給日に全額を用意できない見込みなら、従業員への説明方法だけで済ませず、社会保険労務士や弁護士、労働基準監督署などへ確認してください。

従業員給与と役員報酬は分けて考える

従業員への賃金と、取締役などの役員報酬は同じ扱いではありません。資金不足時に役員報酬を見直すことは選択肢になり得ますが、期中減額、未払計上、源泉所得税、社会保険、会社の決議手続などの論点があります。

経営者が自分の報酬を止めればよいと単純に処理せず、税理士や社会保険労務士へ確認します。従業員給与を優先する経営判断と、適切な会計・税務手続を両立させてください。

給与遅配で起こるリスク

給与遅配は、会社に対する信頼と事業継続の両方へ影響します。

労働基準法上の問題になる

定めた支給日に賃金を全額支払わなければ、労働基準法上の問題になります。従業員から労働基準監督署への申告、未払賃金の請求などにつながる可能性があります。

資金不足は経営上の事情ですが、賃金支払義務が消える理由にはなりません。法的な対応や個別の事情は専門家へ確認してください。

従業員の生活に直接影響する

給与は従業員の家賃、住宅ローン、カード、公共料金、生活費の原資です。会社にとって数日の遅れでも、従業員側では口座引き落とし不能や延滞につながる場合があります。

支給日直前まで黙っているほど、従業員が自分の支払いを調整する時間もなくなります。資金確保を最優先にしつつ、遅配の可能性が現実的になった段階で専門家と説明方針を決めます。

退職・採用難・生産性低下につながる

一度の遅配でも、会社の存続に対する不安が広がります。従業員が転職活動を始め、業務への集中が落ち、重要人材が退職すれば、立て直しに必要な売上も減る可能性があります。

取引先や採用候補者へ給与遅配の情報が伝わる場合もあります。給与を単なる支払順位の一つとして扱わず、組織を維持する基盤として考える必要があります。

次月分と未払分が重なり不足が拡大する

今月分を翌月へ送ると、翌月は2か月分に近い給与原資が必要になります。売上や固定費構造が変わらなければ、遅配が連続するおそれがあります。

給与遅配は支払いを消す対応ではなく、次回支給日へ未払額を積み上げる対応です。

支払日までに給与資金を用意する方法

不足額が確定したら、費用と実行可能性の順に資金を用意します。複数の方法を同時に進め、間に合うものだけに依存しないことが重要です。

未入金の売掛金を確認する

すでに支払期限を過ぎた売掛金がある場合は、請求漏れ、請求内容の不一致、振込処理の遅れがないか確認します。売掛先へ入金予定日を確認し、早期入金を相談できる場合もあります。

単なる処理漏れを解消できれば、新たな借入や手数料を伴う資金化を避けられる可能性があります。売掛金の回収対応は売掛金の回収が遅い時の対応を確認してください。

支給日前の支出を見直す

給与支給日前に予定している支払いを一覧にし、延期や停止を相談できるものがないか確認します。広告、備品、新規投資、役員への精算など、事業継続に直結しない支出を見直します。

税金、社会保険料、借入返済、家賃、買掛金などは、黙って支払わないのではなく、各窓口や相手先へ相談します。給与を守るためでも、他の契約や公租公課を無断で放置してよいわけではありません。

経営者から会社へ資金を貸し付ける

経営者個人に余力があり、会社の立て直しと返済見込みを説明できる場合は、会社へ資金を貸し付ける方法があります。

個人口座から会社口座へ入金するだけで終わらせず、金銭消費貸借契約、利息、返済条件、会計処理を税理士へ確認します。家族の生活資金まで入れる、返済見込みがないのに借入を重ねる判断は慎重に行ってください。

取引銀行・日本政策金融公庫へ相談する

給与は事業を続けるための運転資金に含まれます。一時的な入出金差で、今後の売上と返済原資を示せる場合は、取引銀行や日本政策金融公庫へ短期運転資金を相談します。

必要資料として、直近試算表、給与一覧、資金繰り表、売掛金入金予定、受注状況、必要額の内訳を用意します。融資は審査と契約に時間がかかるため、支給日直前では間に合わない可能性があります。

運転資金が足りない時の対応銀行以外の資金調達方法も比較してください。

遊休資産を売却する

使用していない車両、機械、備品、有価証券など、事業継続に影響しない資産を現金化できる場合があります。急いで売ると価格が下がること、所有権や担保設定、リース契約の制約も確認します。

会社の重要資産を処分して一度だけ給与を払えても、翌月の売上が下がるなら逆効果です。現金化の速さと事業への影響を比較します。

確定売掛金をファクタリングする

ファクタリングは、会社が保有する売掛債権を期日前に売却して資金化する方法です。金融庁は、一般的なファクタリングを法的には債権売買、債権譲渡契約と説明しています。

給与支給日より後に入る確定売掛金があり、入金までの時間差だけが不足原因なら候補になります。請求書、売掛先との取引実績、通帳などで売掛金を確認できることが前提です。

会社の売掛金を売却する事業者向けファクタリングと、労働者の給与債権を買い取る給与ファクタリングは別の取引です。

ファクタリングの仕組み手数料の考え方を確認し、入金の早さだけで契約しないでください。

ファクタリングが候補になるケース・ならないケース

候補になり得る別の対応が必要
請求済みの法人向け売掛金がある売掛金がない
支給日より売掛金入金日が後毎月給与総額を賄えない
一時的な入金ズレ恒常赤字・人件費過多
手数料後の手取りで不足を埋められる手数料で翌月資金がさらに不足する
売掛先との取引を証明できる請求や納品に争いがある

ファクタリングを使う場合は、手数料を差し引いた手取り額が給与総額に足りるか、売掛金入金後に必要な手続、買戻しや自己資金弁済を求める条件がないかを確認します。

毎月給与資金が足りない場合は、人員配置、粗利、固定費、単価、回収サイトを見直さなければ再発します。ファクタリングで入金を前倒しし続けると、次月以降に受け取れる売掛金が減り、資金繰りが悪化する場合があります。

従業員へ説明する時の注意点

資金調達を進めても遅配の可能性が残る場合は、社会保険労務士や弁護士へ相談し、説明内容を決めます。

支給日直前まで隠さない

確実に全額を用意できる見込みがなくなった段階で、いつ、誰が、何を説明するかを決めます。噂だけが先に広がると、従業員は正確な状況を把握できません。

説明では、会社の都合だけを長く語るのではなく、対象給与、支給予定、現時点の対応、次回連絡日、相談窓口を明確にします。

実行できない支払日を約束しない

資金調達の審査中で入金が確定していないのに、「明日必ず払う」と断定すると再延期になります。確認できた事実と未確定事項を分けて伝えます。

ただし、日付を約束できないからといって説明を省いてよいわけではありません。支払義務と会社の対応方針について、専門家の助言を受けて説明します。

退職や申告を妨げない

給与未払いを理由に労働基準監督署へ相談しないよう求める、退職を妨げる、不利益な扱いを示唆するといった対応は避けます。従業員の権利と生活への影響を認識し、誠実に対応してください。

給与明細・勤怠記録を正確に保つ

未払いが生じた場合も、勤怠、給与計算、給与明細、支払済み額、未払額を正確に残します。資金不足を理由に残業時間や手当を減らして記録してはいけません。

従業員への説明は支払義務をなくす手続ではなく、事実と今後の対応を正確に伝えるためのものです。

給与資金不足で避けるべき対応

給与計算額を勝手に減らす

資金が足りないことを理由に、労働済みの時間や手当を削って給与額を小さくしてはいけません。計算誤りがある場合は、根拠を確認して訂正します。

給与の代わりに商品や金券を渡す

労働基準法24条は通貨払いを原則としています。会社の商品、在庫、金券などを給与代わりに渡して解決したことにはできません。

一部払いを通常の解決策にする

少なくとも生活費分だけ払うという考え方は、全額払いの原則を満たしません。全額を用意できない場合は、独断で分割案を進めず、専門家や労働基準監督署へ確認してください。

架空の売掛金で資金調達する

存在しない請求書を作る、請求額・支払日・通帳を加工する行為は避けてください。書類に誤りがある場合は、正しい書類を再発行し、経緯を説明します。

同じ売掛金を二重譲渡する

複数のファクタリング会社から見積もりを取ることと、同じ売掛金を複数社へ譲渡して資金を受け取ることは別です。同一債権の二重譲渡は重大なトラブルにつながります。

「審査なし」を強調する業者へ急ぐ

金融庁は、ファクタリングを装いながら、売主が債権を買い戻す、自己資金で支払うなど、実態が貸付と同様の機能を持つ取引に注意を促しています。

契約書がない、費用総額が分からない、売掛金を確認しない、買戻し条件が曖昧といった業者との契約は急がないでください。

7日間と30日間の立て直し

今日から7日間に行うこと

時点対応
今日給与総額、振込締切、口座残高を確認
今日支給日前の確定入金と不足額を算出
今日税理士・社労士・取引銀行へ連絡
1〜2日未入金確認、支出の延期相談
1〜3日融資・資産売却・売掛金資金化を比較
必要時従業員説明を専門家と準備
7日以内次回支給日までの資金繰り表を作成

30日以内に見直すこと

給与を一度支払えても、次月に同じ不足が出るなら再発防止が必要です。部門・案件ごとの粗利、必要人員、残業、外注との分担、売掛金回収サイト、給与日と入金日の関係を確認します。

資金繰り表の作り方を参考に、少なくとも次の給与支給日までの日付別残高を作ってください。

給与資金は月末の残高ではなく、毎月の支給日までに確実に残す固定的な資金として管理します。

未払賃金立替払制度は会社の給与資金ではない

厚生労働省の未払賃金立替払制度は、企業が倒産したため賃金を受け取れないまま退職した労働者に対し、一定の要件で未払賃金の一部を立て替える制度です。

営業を続けている会社が、今月の給与原資として自由に申請できる制度ではありません。倒産、事業期間、退職時期、請求期限、対象賃金などの要件があります。

倒産や事業継続困難が現実的な場合は、従業員への説明と並行して弁護士、労働基準監督署、事業再生の専門家へ早急に相談してください。

給与資金不足の相談先

相談内容主な相談先
給与計算・労務対応社会保険労務士、労働基準監督署
未払い・契約・事業継続弁護士
資金繰り・融資取引銀行、日本政策金融公庫、税理士
経営改善よろず支援拠点、中小企業活性化協議会、商工会議所・商工会
倒産時の立替払制度労働基準監督署、労働者健康安全機構等

相談時には、就業規則、賃金台帳、給与一覧、勤怠、給与振込期限、資金繰り表、売掛金入金予定、直近試算表を用意します。

よくある質問

Q: 資金不足なら給与支給日を翌月へ変更できますか? A: 経営上の資金不足だけで、会社が一方的に支給日を変更してよいわけではありません。労働基準法24条の賃金支払原則や就業規則等を確認し、社会保険労務士、弁護士、労働基準監督署へ相談してください。

Q: 従業員が同意すれば給与を分割払いにできますか? A: 賃金には全額払いと一定期日払いの原則があります。従業員の同意だけで通常の解決策になると考えず、全額確保を優先し、専門家や労働基準監督署へ確認してください。

Q: 役員報酬を止めて従業員給与へ回せますか? A: 従業員給与を優先する経営判断は考えられますが、役員報酬の期中減額や未払には税務、会社の決議、源泉所得税、社会保険などの論点があります。税理士や社会保険労務士へ確認してください。

Q: 給与資金にファクタリングを使えますか? A: 会社に請求済みの売掛金があり、資金使途が限定されないサービスなら候補になり得ます。手数料後の手取り、入金時期、買戻し条件を確認してください。労働者の給与債権を扱う給与ファクタリングとは別です。

Q: 未払賃金立替払制度で今月の給与を払えますか? A: 営業中の会社が給与原資として自由に使える制度ではありません。企業倒産により賃金未払いのまま退職した労働者を対象とし、倒産や退職時期などの要件があります。

Q: 給与資金が毎月足りない時はどうすればよいですか? A: 一時的な資金調達だけでは再発します。案件別粗利、人員配置、固定費、売掛金回収サイト、給与支給日を見直し、税理士、金融機関、事業再生の専門家へ早めに相談してください。

まとめ

給与を支払う資金が足りないと分かったら、支給日ではなく給与振込の締切から逆算して動きます。

  1. 給与総額、支給日、振込締切を確認する
  2. 支給日前の確定入金と不足額を出す
  3. 未入金回収、支出相談、融資、資産売却を同時に進める
  4. 確定売掛金があればファクタリングの手取りを比較する
  5. 遅配の可能性が残る場合は専門家と従業員対応を決める

資金不足を理由に、給与額を勝手に減らす、商品で代用する、翌月へ一方的に回すことは避けてください。給与ファクタリングと、会社の売掛金を売却する事業者向けファクタリングも区別が必要です。

今回の給与を支払うだけでなく、次回支給日までの日付別資金繰りを作り、粗利、人員配置、回収サイトを見直すことが再発防止につながります。

出典

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この記事を書いた人

ファクマッチ編集責任者。ファクタリング会社の公式情報、口コミ、比較データをもとに、事業者が自分の状況に合う資金調達先を選べるよう、記事制作とサイト改善を行っています。

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