支払いサイトは、基本的に 起点日から支払日までの日数 で計算します。起点日は契約条件によって変わり、月末締めなら締め日、請求日基準なら請求日、検収後払いなら検収完了日を起点にします。
たとえば 月末締め翌月末払い は、7月末締めなら8月末支払いなので、おおむね30日サイトです。月末締め翌々月末払い は、7月末締めなら9月末支払いなので、おおむね60日サイトです。
支払いサイトの計算では、日数だけでなく「実際に何月何日に入金されるか」まで確認することが大切です。
この記事では、支払いサイトの基本的な計算方法、月末締め翌月末払い・翌々月末払いの早見表、請求日・締め日・検収日の違い、土日祝日の扱い、資金繰り表への入れ方を整理します。
支払いサイトの計算方法は「起点日から支払日までの日数」で見る
支払いサイトは、取引で発生した代金がいつ支払われるかを示す期間です。計算する時は、まず どの日付を起点にするか と 実際の支払日がいつか を確認します。
基本式はシンプルです。
支払いサイトの日数 = 支払日 – 起点日
ただし、実務では起点日が1つに決まっているわけではありません。契約書や発注書に、締め日、請求日、検収日、請求書受領日など、どの日付を基準にするかが書かれていることがあります。
| 条件 | 起点日 | 支払日の例 | サイト目安 |
|---|---|---|---|
| 月末締め翌月末払い | 月末締め日 | 7月末締めなら8月末 | 約30日 |
| 月末締め翌々月末払い | 月末締め日 | 7月末締めなら9月末 | 約60日 |
| 検収後30日以内 | 検収完了日 | 7月15日検収なら8月14日前後 | 約30日 |
| 請求書受領後30日以内 | 請求書受領日 | 受領日から30日以内 | 約30日 |
基本式は「支払日 – 起点日」
支払いサイトを日数で見るなら、まずは 支払日 - 起点日 で考えます。
たとえば、7月31日を起点として8月31日に支払われるなら、支払いサイトは約31日です。実務上は、これを30日サイト相当として扱うことが多いです。
一方、7月31日を起点として9月30日に支払われるなら、約61日です。こちらは60日サイト相当です。
ただし、月の日数は28日、30日、31日で変わります。そのため、30日サイト や 60日サイト は厳密な日数というより、支払い条件の目安として使われることが多いと考えてください。
30日サイト・60日サイトは目安であり、実日数とはズレる
月末締め翌月末払い は30日サイトと呼ばれやすいですが、実際の日数は月によって変わります。
たとえば、1月31日締め2月末払いなら、平年は28日前後です。7月31日締め8月31日払いなら31日前後です。どちらも実務上は30日サイト相当として扱われることがあります。
「30日サイト」という呼び方だけで判断せず、カレンダー上の入金予定日まで確認しましょう。
資金繰りを見る時は、日数の呼び方よりも、実際にいつ入金されるかが重要です。月末に資金が足りるかどうかは、30日サイトか60日サイトかだけでは判断できません。
入金予定日は日数ではなくカレンダーで確認する
支払いサイトを計算する目的は、日数を知ることだけではありません。経営者や経理担当者にとって大切なのは、入金予定日を資金繰りに反映することです。
たとえば、支払日が9月30日でも、その日が金融機関休業日なら、契約条件によって前営業日または翌営業日にズレることがあります。
翌営業日払いの場合、月末入金のつもりが翌月入金になることもあります。給与、外注費、仕入れ、借入返済が月末に重なる事業では、この数日のズレが資金繰りに影響します。
月末締め翌月末払い・翌々月末払いの早見表
ここでは、よくある支払い条件を早見表で整理します。
支払いサイトは、締め条件と支払条件をセットで見ます。月末締め、20日締め、翌月末払い、翌々月末払い の組み合わせによって、実際の入金予定日は変わります。
| 締め条件 | 対象期間の例 | 支払日の例 | サイト目安 |
|---|---|---|---|
| 月末締め翌月末払い | 7/1〜7/31 | 8/31 | 約30日 |
| 月末締め翌々月末払い | 7/1〜7/31 | 9/30 | 約60日 |
| 20日締め翌月末払い | 6/21〜7/20 | 8/31 | 約40日 |
| 15日締め翌月15日払い | 6/16〜7/15 | 8/15 | 約30日 |
| 月末締め翌月20日払い | 7/1〜7/31 | 8/20 | 約20日 |
月末締め翌月末払いの計算例
月末締め翌月末払い は、月内の取引を月末で締め、翌月末に支払う条件です。
例:
- 対象期間:7月1日〜7月31日
- 締め日:7月31日
- 支払日:8月31日
- サイト目安:約30日
この場合、7月中に納品・請求した分が、8月末に入金されるイメージです。入金までの期間は約1か月なので、30日サイト相当と考えられます。
ただし、7月1日に納品した取引も7月31日に納品した取引も、同じ7月締めに入る場合があります。納品日から見ると、早い取引ほど入金までの待ち時間は長くなります。
月末締め翌々月末払いの計算例
月末締め翌々月末払い は、月内の取引を月末で締め、翌々月末に支払う条件です。
例:
- 対象期間:7月1日〜7月31日
- 締め日:7月31日
- 支払日:9月30日
- サイト目安:約60日
この条件では、7月に発生した売上の入金が9月末になります。受け取る側から見ると、2か月近く資金を立て替える形になります。
外注費や仕入れ代金を先に支払う事業では、60日サイトになるだけで手元資金が苦しくなることがあります。
20日締め翌月末払いの計算例
20日締め翌月末払い は、毎月21日から翌月20日までの取引を締め、翌月末に支払う条件です。
例:
- 対象期間:6月21日〜7月20日
- 締め日:7月20日
- 支払日:8月31日
- サイト目安:約40日
月末締めよりも締め日が早いため、対象期間の後半で発生した取引は比較的早く入金される一方、期間前半の取引は入金まで長く待つことがあります。
締め日が月末ではない取引では、請求漏れや締め忘れにも注意が必要です。
請求日・締め日・検収日のどこから数えるか
支払いサイトの計算で一番つまずきやすいのは、起点日です。
同じ 30日以内 という表現でも、何を基準に30日を数えるかで支払日は変わります。
| 起点日 | よくある表現 | 注意点 |
|---|---|---|
| 締め日 | 月末締め翌月末払い | 月次請求で使いやすい |
| 請求日 | 請求日から30日以内 | 請求書発行が遅れると支払日も遅れる |
| 検収日 | 検収後30日以内 | 検収完了日の定義が重要 |
| 請求書受領日 | 請求書受領後30日以内 | 相手側の受領日管理が必要 |
締め日基準は、締めた日から支払日までを見る
月次取引で多いのが、締め日基準です。
月末締め翌月末払い なら、月末で請求対象を締め、翌月末に支払うという考え方です。継続取引や毎月の請求では、この形がよく使われます。
締め日基準では、請求書の発行日よりも、どの期間の取引をどの締め日に含めるかが重要です。
請求日基準は、請求書発行日から数える
請求日から30日以内 と書かれている場合は、請求書を発行した日を起点にします。
この条件では、請求書を出すのが遅れると、支払日も後ろにズレます。納品後すぐに請求できる取引なら問題は少ないですが、請求書発行までに社内確認や検収が必要な場合は注意が必要です。
資金繰りを安定させるには、請求書発行のタイミングを早めることも大切です。
検収日基準は、検収完了日から数える
制作、開発、建設、受託業務などでは、検収完了日を起点にすることがあります。
たとえば、検収完了後30日以内に支払う という条件なら、納品日ではなく検収完了日から30日を数えます。
この場合、検収が遅れると支払日も遅れます。検収完了の基準、検収期間、修正対応の扱いが曖昧だと、入金予定日を読みづらくなります。
検収後払いでは、支払いサイトだけでなく「いつ検収完了になるか」も資金繰りに直結します。
請求書受領日基準は、相手が受け取った日から数える
請求書受領後30日以内 という条件では、相手が請求書を受け取った日を起点にします。
電子請求なら受領日が分かりやすいこともありますが、郵送や相手側の社内処理が絡む場合は、受領日の認識がズレることがあります。
この条件では、自社が請求書を発行した日ではなく、相手が受け取った日が基準になる点に注意しましょう。
30日サイト・60日サイト・90日サイトの計算例
ここでは、よく使われる30日サイト、60日サイト、90日サイトの考え方を整理します。
日数の呼び方は目安ですが、資金繰りへの影響は大きく変わります。
30日サイトの例
30日サイトは、起点日からおおむね30日後に支払われる条件です。
例:
- 7月31日締め、8月31日支払い
- 7月15日検収、8月14日支払い
- 7月20日請求、8月19日支払い
30日サイトは、BtoB取引では比較的よくある支払い条件です。ただし、売上発生日から見ると、実際の入金まで1か月以上かかることがあります。
60日サイトの例
60日サイトは、起点日からおおむね60日後に支払われる条件です。
例:
- 7月31日締め、9月30日支払い
- 7月15日検収、9月13日支払い
- 7月20日請求、9月18日支払い
60日サイトになると、受け取る側は2か月近く入金を待つことになります。仕入れや外注費が先に出る事業では、資金繰りへの影響が大きくなります。
90日サイトの例
90日サイトは、起点日からおおむね90日後に支払われる条件です。
例:
- 7月31日締め、10月31日支払い
- 7月15日検収、10月13日支払い
- 7月20日請求、10月18日支払い
90日サイトは入金までの待ち時間が長く、受注側の資金繰り負担が大きくなります。金額が大きい取引では、受注前に支払い条件を確認しておくことが重要です。
手形・でんさいのサイトは別に確認する
通常の銀行振込の支払いサイトと、手形・でんさいのサイトは分けて考えます。
たとえば、月末締め翌月末に手形振出、手形サイト60日 のような条件では、締め日から手形振出までの期間と、手形の支払期日までの期間が合わさります。
単に 翌月末払い と見えても、実際に現金化できる日がさらに先になる場合があります。手形やでんさいが絡む取引では、現金として使える日まで確認しましょう。
土日祝日がある場合の支払日の考え方
支払いサイトを計算する時は、土日祝日の扱いも確認しておきましょう。
支払日が金融機関休業日に当たる場合、前営業日に支払うのか、翌営業日に支払うのかで入金日が変わります。
契約で前営業日か翌営業日かを確認する
契約書や取引条件には、次のような文言が入っていることがあります。
支払日が金融機関休業日に当たる場合は、翌営業日に支払うものとする。
この場合、月末が土曜日なら翌月の月曜日に入金される可能性があります。
一方で、前営業日払いと定められていれば、月末が土日祝日でもその前の営業日に入金されます。月末資金が重要な事業では、この違いは小さくありません。
資金繰り表では実際の入金予定日で見る
資金繰り表では、契約上の支払日ではなく、実際の入金予定日で管理します。
たとえば、9月30日が休日で翌営業日払いになるなら、入金は10月になる可能性があります。9月末に給与や外注費の支払いがある場合、9月の資金繰りにはその入金を入れない方が安全です。
支払いサイトの計算は、契約上の日付だけでなく、銀行営業日ベースで確認しましょう。
請求書には具体的な支払期日を書く
請求書には、できるだけ具体的な支払期日を書くと親切です。
月末払い とだけ書くよりも、お支払期限:2026年8月31日 のように日付を入れる方が相手も処理しやすくなります。
土日祝日の調整後の日付が分かっている場合は、調整後の日付を請求書に記載するか、契約条件と矛盾しない範囲で案内しましょう。
支払いサイトを資金繰り表に入れる方法
支払いサイトを計算したら、資金繰り表に入金予定日として反映します。
ここで大切なのは、売上日や請求日ではなく、実際に手元資金が増える日を見ることです。
売上日ではなく入金予定日で管理する
売上が発生しても、入金前であれば手元資金は増えていません。
たとえば、7月に100万円の売上があっても、入金が9月末なら、7月や8月の支払いにはその100万円を使えません。
資金繰り表では、売上欄と入金欄を分けて考えます。
| 項目 | 入れる日付 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 売上 | 売上日・請求日 | 売上発生の確認 |
| 売掛金入金 | 入金予定日 | 手元資金が増える日 |
| 仕入・外注費 | 支払予定日 | 入金前に出ていく支払い |
| 借入返済 | 返済日 | 固定的に出ていく支払い |
支払い予定と並べて資金ショートを確認する
入金予定日が分かったら、支払い予定と並べます。
見るべき支払いは、たとえば次のようなものです。
- 給与
- 外注費
- 仕入れ代金
- 家賃
- 税金・社会保険料
- 借入返済
- クレジットカード引き落とし
入金より先に支払いが集中する月があれば、資金ショートの予兆です。売上があるから大丈夫ではなく、入金日と支払日が合っているかを確認しましょう。
支払いサイトが長い取引先を分けて見る
取引先ごとに支払いサイトを分けて見ると、資金繰りを悪化させている原因が見えやすくなります。
| 取引先区分 | 支払いサイト | 確認したいこと |
|---|---|---|
| A社 | 30日 | 通常条件として管理 |
| B社 | 60日 | 金額が大きい場合は注意 |
| C社 | 90日 | 受注前に資金繰り影響を確認 |
| D社 | 検収後30日 | 検収遅れに注意 |
入金までの期間が長い取引先ほど、短縮交渉や請求タイミングの見直しを検討しやすくなります。
支払いサイトが長すぎる時の対策
支払いサイトを計算して、入金までの期間が長いと分かった場合は、対策も考えておきましょう。
計算して終わりではなく、入金が遅い取引から優先して条件改善を検討することが大切です。
まず支払いサイト短縮を相談する
継続取引で関係性がある場合は、支払いサイトを短縮できないか相談する方法があります。
いきなり60日から30日に短縮するのが難しい場合でも、段階的に短くする、一部だけ前払いにする、材料費分を先に支払ってもらうなどの交渉余地があります。
具体的な文例や進め方は、支払いサイト短縮交渉の進め方で整理しています。
請求タイミングや検収条件を見直す
支払いサイトそのものを変えられなくても、請求タイミングを早めることで入金を早められる場合があります。
たとえば、月末一括請求ではなく納品ごとに請求する、検収完了の基準を明確にする、長期案件では中間金を設定する、といった方法です。
特に検収後払いの取引では、検収が遅れるほど入金も遅れます。検収期間や完了条件を契約時に確認しておきましょう。
売掛金がある場合はファクタリングも選択肢
支払いサイトを短縮できない場合でも、売掛金があるならファクタリングで入金前に資金化できる可能性があります。
ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社へ譲渡し、入金予定日前に資金を受け取る方法です。借入とは異なりますが、手数料がかかり、売掛先や契約条件によって利用可否も変わります。
支払いサイトが長く、入金待ちで月末資金が足りない場合は、ファクタリングサービス比較やファクタリング会社ランキングで条件を確認してみてください。
法令面が気になる場合は60日ルールを確認する
支払いサイトが長い場合、下請法や取適法の対象取引では支払期日のルールが問題になることがあります。
公正取引委員会は、下請取引における支払期日について、給付の受領後60日以内に定める義務を説明しています。また、下請法は取適法へ改正され、2026年1月1日から施行される予定です。
ただし、対象になるかどうかは取引内容や事業者の関係によって変わります。詳細は、支払いサイト60日と取適法の解説を確認してください。
参考:
支払いサイトの計算方法によくある質問
Q: 支払いサイトは何日から数えますか?
A: 契約条件によって変わります。月末締め翌月末払いなら締め日、請求日から30日以内なら請求日、検収後30日以内なら検収完了日を起点にします。まず契約書・発注書・請求条件で起点日を確認しましょう。
Q: 月末締め翌月末払いは何日サイトですか?
A: 一般的には30日サイト相当と考えられます。たとえば7月末締め8月末支払いなら、締め日から支払日まで約1か月です。ただし、月の日数によって実日数は28日、30日、31日などに変わります。
Q: 60日サイトはどう計算しますか?
A: 起点日からおおむね60日後に支払われる条件です。月末締め翌々月末払いなら、7月末締め9月末支払いのように約2か月後の入金になります。資金繰り表では、実際の入金予定日で管理します。
Q: 請求日から30日と月末締め翌月末払いは同じですか?
A: 同じではありません。請求日から30日は請求書発行日を起点にします。月末締め翌月末払いは月末締め日を起点にします。請求書の発行日や締め日が違えば、実際の支払日も変わります。
Q: 土日祝日の場合、支払日はどうなりますか?
A: 契約条件によります。前営業日に支払う場合もあれば、翌営業日に支払う場合もあります。資金繰り表では、契約上の日付だけでなく、実際に入金される予定日で管理しましょう。
Q: 支払いサイトが長い場合はどうすればよいですか?
A: まず入金予定日と支払予定日を並べ、資金繰りへの影響を確認します。そのうえで、支払いサイト短縮交渉、請求タイミングの見直し、一部前払い、売掛金がある場合のファクタリングなどを検討します。
まとめ
支払いサイトは、基本的に 起点日から支払日までの日数 で計算します。
ただし、起点日は契約条件によって変わります。月末締めなら締め日、請求日基準なら請求日、検収後払いなら検収完了日、請求書受領後払いなら相手が請求書を受け取った日が起点になります。
30日サイト、60日サイトという呼び方は便利ですが、実務ではカレンダー上の入金予定日まで確認することが大切です。
資金繰り表では、売上日ではなく「実際に入金される予定日」を入れて管理しましょう。
支払いサイトが長く、入金待ちで資金繰りが苦しい場合は、支払いサイト短縮交渉やファクタリングも選択肢になります。自社に合う方法を確認したい場合は、ファクタリング診断も活用してください。
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